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2022年04月23日

アースデー2022 🌏

ユネスコ世界ジオパークであるアポイ岳ジオパークの秀峰アポイ岳には、世界中でここにしか咲かない高山植物がとても多くあります。

しかし、最近は気候変動などの影響を受け、その数を減らしてきています。

地元のボランティア団体であるアポイ岳ファンクラブは、20年以上もこの山に咲く花たちや動植物を守るため、活動を行っています。

今年も雪が解けて、高山植物を踏みつけや浸食から守るため、登山道整備に取り組んでいます。この団体は「アポイが いつまでも アポイであり続けるために」をスローガンとして、これからも活動を続けていきます。

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#InvestInOurplanet #WhatWillYouDo #EarthDay #EarthDayEveryDay #ClimateChange #Environment #Sustainability #TakeAction

2022年04月08日

春のアポイ岳と鵜苫海岸

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2022年4月5日の様似町鵜苫(さまにちょう・うとま)海岸から見た風景です。

雪が残るアポイ岳が奥にぼんやりと見え、春らしい景色です。

2022年03月09日

歴史記録からみる様似町・近隣町の津波被害とアイヌ口碑伝説

2019年3月6日ふるさとジオ塾で話をした津波について伝えたいことです。

<隣町のえりも神社「地震海鳴りそら津波」記念碑>

 えりも町では昭和三陸沖地震津波の義援金の残額を使って碑が2つ建立され、襟裳神社と庶野駐在前で見ることができ、津波・地震の恐ろしさを後世に伝えています。この2つの碑については、電子国土WEBの地理院地図を見ると、地図記号「自然災害伝承碑」で示されています。

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<様似町のアイヌの口碑伝説~サマッキのクジラの骨と津波~>

 様似町新富地区から隣町浦河町上杵臼にかけて、横に長い山の峰の連なりがあります。600~700mほどのいただきがいくつか横に並んでいます。アイヌ語「サマッキ」は、横になっているという意味です。昔、大津波があり、クジラが打ち上げられたという言い伝えがあります【アポイ岳ジオパークガイドブック】

<歴史記録からみる様似町・近隣市町村の津波被害~三陸沖が震源の津波4つ~>

(1)安政3年8月23日 陸奥東方沖

・マグニチュード7.7、日高胆振渡島津波襲う

・えりも岬付近で山崩れ【宇佐美, 2003】

・浦河付近で500石積以上の船2隻転覆(※500石=75トン)【武者, 1951】

(2)明治29年6月15日 三陸沖(明治三陸沖地震津波)

・発生時刻午後7時32分、マグニチュード8.2

・地震発生後30分以上たって大津波が三陸地方を襲う

・宮城県から北海道にかけて津波の死者2万2000人、溺死ばかりではなく瓦礫による打撃が死因

・様似町は増潮のみで被害なし、えりも町で死者6名、家屋倒壊等【鏡味, 2006】

・津波はえりも岬で高さ約4m【宇佐美, 2003】

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(3)昭和8年3月3日 三陸沖(昭和三陸沖地震津波)

・明治の三陸地震の37年後、午前2時30分、マグニチュード8.1

・地震発生後30分~1時間で津波が三陸地方を襲う、北海道・宮城・岩手・青森死者3,064人

・浦河町及び様似町で津波による死者1名、えりも町で津波による死者12名。流出家屋、半潰、浸水、漁船流出【那須・高橋, 1933】

・庶野村(現えりも町)死者10名、小越村(現えりも町)死者3名【中央氣象臺, 1933】

・津波は地震発生後30分間の間隔をおいて3回来襲し、3回目には、その波高は14.2mにも達し、死者13名、負傷者56名、家・建物の倒壊90棟など総額34万円(現在だと約20億円)の被害【えりも町郷土資料館】https://www.town.erimo.lg.jp/horoizumi/i3iqro0000000591.html?channel=main

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えりも町庶野地区にある記念碑

(4)東日本大震災による様似の被害

https://www.apoi-geopark.jp/other/column.html

 歴史記録を知ることは大事です。過去に様似町・近隣町で、人的被害を出している津波被害があるのですが、あまり知られていません。また、昔の地形(特に海岸線)がわかるような写真、津波堆積物らしき砂(木の根元にあったりします)を見たことがある方は教えてください。津波堆積物を知ることは過去の津波の記録を知ることにつながります。(カ)

2022年02月08日

様似中学校の総合学習その2

 今年度の様似中学校1年生総合学習「ふるさとアポイ学」は(1)事前学習、(2)1020日が全員で町内見学、(3)115日が班ごとに地域調査、テーマに沿って町内の専門家に質問、(4)128日がポスター発表会という流れで行っています。

 さて、115日の班ごとの地域調査。動植物グループと、地質グループがビジターセンターに来ました。他にも観光や産業、歴史を調べるグループがあり、町産業課、教育委員会の学芸員や司書、観光案内所、おやきや、ホテルアポイ山荘、等澍院、農協を訪問しました。

 植物グループは、Tさんの案内でビジターセンター館内の展示を使って学習し、そのあとはエンルム岬でアポイドリームプロジェクト(生徒たちがアポイ岳の高山植物の種を育て、できた苗をアポイ岳に戻す活動を通して、自然再生事業に関わり、郷土愛を育むことが目的の事業)の現場を見に行きました。

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 地質グループは、アポイ岳調査研究支援センターでSさんから話を聞き、その後プレート境界などの現場見学。ビジターセンターは、岩石の違いと国立公園の話を担当。学術顧問N先生から教えてもらったプログラム「岩石の密度・鉱物の硬度実験」を通して、自分の手でやってみて、岩石の多様性を確かめる作業を実施。地質を調べに来たのに、まさか数学!と言われましたが、かんらん岩と石灰岩の密度計算をしてもらいました。岩石を通して地学以外のものとのつながりにも気づいてもらえたらいいな~。生徒たちは、実験をどうやってポスターに表現するかな~と言っていて、工夫していました。

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 また、GIGAスクールの関係で生徒全員がタブレットをもって、写真を撮っていました。生徒たちは写真を撮りながらいろいろと私に質問をしてくれました。また、生徒同士で教えあいをしていたことが印象的でした。この後は、まとめ作業を行いポスター発表するそうです。(カ)

2022年02月01日

1月16日(日)未明 津波注意報 備忘録

 1月16日(日)未明、津波注意報が北海道様似町も含む北海道~宮古島までの広範囲に発表されました。様似町は積雪のある冬期かつ深夜でした。避難されたかたと避難準備をしたかたからの聞きとりについて、備忘録も兼ねて記録します。

 「2011年の東日本大震災の時に高台に避難したことを思い出した。チリ沖地震を思い出した。様似町内でも約80mの標高に位置する観音山周辺に最大30-40台の車が避難していた。避難所指定されているソビラ荘に一時避難し、数台の車がみられた。観音山周辺にはトラック(町民ではない方々)も数台停車していた。自宅で避難準備をしながらニュース報道を見ていた。科学的に予測できないということを再認識した。」という話がありました。

 私の感想ですが、日本はトンガと同様、太平洋の周囲4万キロを取り巻く「環太平洋火山帯」に位置し、日本は世界の活火山の7%がある火山大国でもあり、4枚のプレートがひしめきあっている国。冬場の津波からの避難という点からも、改めて防災について考えさせられました。

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1月16日0:45分頃、観音山周辺に避難されたかたがたの車が並ぶ様子(教育委員会のOさん提供写真)

<トンガ大規模な噴火が発生>

 1月15日(土)13:10頃、南太平洋・トンガ諸島の火山島フンガトンガ・フンガハアパイで大規模噴火。フンガ・トンガ・フンガ・ハアパイは、過去の噴火によって陥没した海底カルデラの縁にある火山島の名称で、首都のヌクアロファから北に65kmほど離れた場所にある海底火山。トンガでは火山灰が降り積もり、最大15mの津波が押し寄せ、家屋がすべて破壊された島もあり、死者3名、負傷者14人を確認。津波と降灰被害は約10万の国民の8割以上に及ぶと推定。1月31日現在170の島々の被害全容はつかめていない。

 今回の津波の特徴は、大規模な噴火による圧力の変化(噴火に伴う空気の振動=空振)が大きな影響を与えたとみられていて、日本では気圧の急激な変化のあと、大きな潮位の変化が現れたと考えられている。通常の遠地の海中でおこる津波よりも到達が速かったことに加えて、噴火地点から離れるにつれて複数の波が重なることで、日本でも潮位が高くなったと考えられる。

 地震による津波とは異なるが、広い意味では津波といえる。今回の津波は波の周期が比較的短く流れが速いのが特徴で、船やいかだを移動させる力が大きくなる。潮位が高い状態が続いている地域では決して海岸に近寄らないでほしいとのこと。

【2022.1.16 NHKニュースより】

【2022.1.31 北海道新聞社説より】

 1883年インドネシアのクラカタウ火山の大規模噴火の際は、今回同様・海中を伝わる津波ではない潮位変化がおきたといわれている。気圧変化や風、湾の地形などが原因で潮位変化が起こる「副振動」もあるが、海外では「気象津波」と呼ぶこともある。共鳴が原因の海面が短期間のうちに昇降を繰り返す現象「あびき」などがあてはまる。なお、副振動は様似町を含む日高管内でも観測されている。

【ウエザーニュースを参考】

<津波注意報 様似町にも発表>

1月16日(日)01:15頃 様似町にも津波注意報

隣町浦河の潮位表は次のとおり。

1月15日の干潮が20:29(潮位23)

1月16日の満潮4:08(潮位125)と13:29(潮位142)

<北海道太平洋沿岸中部 浦河 津波到達時刻>

第1波到達時刻 1月15日21:43 引き

最大波到達時刻 1月16日5:15 高さ0.7m

 ナウファスで隣町の浦河港 潮位実況 経時変化グラフをみたところ、1日たっても潮位が少し変動していることがわかりました。https://nowphas.mlit.go.jp/choui_graph/612/7/

 道内は8か所で津波を観測したが、被害情報なし。70センチの津波を観測した浦河町の沿岸を午前9時前にNHKのヘリコプターで上空から撮影した映像では、港の施設などに影響は見られず、陸にあげられた漁船が整然と並んでいた。50センチの津波を観測したえりも町の沿岸を撮影した映像でも、漁港などに影響は確認されていない。

【NHKニュース】

<津波注意報 解除>

1月16日14:00 津波注意報解除

<国内の様子>

高知県・徳島県・三重県で漁船沈没や転覆が報告される。(カ)

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