ブログ

2023年08月14日

ユネスコ世界ジオパークの再認定審査 Part 2

3日目[7月6日]

3日目のスタートは町立様似図書館に向かいました。司書から「ジオパークコーナー」と呼ばれるジオパーク関連資料や様似郷土館、アポイ岳ジオパークビジターセンター、町立様似図書館の間で行われている「カン×カン講座などの協力事業について説明いただいた後、様似町にまつわるアイヌの伝説を伝えるために図書館が制作した新しいアニメーションを2本鑑賞しました。

07 DSCN0572.jpg

この後、様似町立小学校の裏にある旧採石場かんらん岩広場を確認し、様似小学校に向かいました。小学校では札幌大谷大学の「オオタニアートキャラバン」として小学5年生にかんらん岩を砕いて日本画の絵の具作りを教えていました。審査員たちはその過程に非常に興味を持ち、授業を見守っていました。授業が終わったあと、全員で記念写真を撮りました。

08 IMG_4156.jpg
09 IMG_4836.jpg

昼食は、かんらん岩が織りなす「幌満峡」のお膝元にある「幌満コミュニティセンター」でした。ここで幌満地区の住民に出迎えていただき、幌満の海岸線で採れた昆布とふのりの味噌汁を用意してくれていました。様似中学校の生徒たちが、アポイ岳ジオパークを表現したレシピを考えたアポイドリーム弁当とともに美味しくいただきました。

10 幌満生活感.jpg

昼食の後、ジオパーク学術顧問の新井田先生がジオ・ラボを案内しました。その後、幌満峡にある稲荷神社のサイトに立ち寄り、かんらん岩の多様な種類や水力発電所について話を聞きました。川を眺めながら、まんまの会が作ったかんらん岩餅と昆布茶をいただきました。

11 IMG_4978.jpg

4日目[7月7日]

4日目は早朝から冬島地区にある附田さんの昆布小屋を訪問しました。ここでは、昆布の収穫がどのようなものかを審査員たちに垣間見せてくれました。全員が順番に昆布を並べて干した後、昆布小屋の中に入り、昆布がどのように切られ、分けられ、選別され、箱詰めされるかを見学しました。ジンさんは昆布の束を切りそろえる作業を体験し、とても手際よく進めていました。

12 昆布体験 (1).jpg

次に、アポイ岳の麓に向かい「ブラアポイ」という自然観察会とアポイ岳の2休憩所までの登山ガイドを体験しましたこの日は気温が高いなかでしたが、審査員たちは、登山道がどのように整備されているのか、どんな動物が見られるのかなど、たくさんの質問をしていました

13 アポイ岳.jpg

この日の昼食は、地元の「まんまの会」という団体が用意してくれました。地元で水揚げされた水産物を活かしたお弁当とお味噌汁はとても美味しく、"おかわり"をしながら昼食を楽しみました。午後の残りの時間は、様似観光案内所や、エンルム岬の裏側、冬島の穴岩などのジオパークサイトを巡りました。

14 まんまの会など.jpg


5
日目[7月8日]

この日が再認定審査の最終日でした。朝一番でクロージングミーティングが開かれ、審査員からジオパークの全体的な感想と今後のアドバイスが述べられました。町の代表者や住民が集まって審査員を見送るなか、会場を出発し親子岩ふれあいビーチに立ち寄り津波避難訓の様子を審査員に説明アポイ岳ジオパークを後にしました。


15 最後の日.jpg

今回の再認定審査は大成功だと思いますが、これもひとえに町民の皆様、地元団体、ガイド、小中学校の先生や生徒の皆様のご支援、ご協力の賜物です。アポイ岳ジオパークを支えてくださるすべての方々に、心から感謝しています。

また、アポイ岳ジオパーク再認定審査にお出でいただいた2名のジオパーク審査員と日本ジオパーク委員会アドバイザーに深い感謝を申し上げます。


再認定審査の結果は来年早々に発表されます!


2023年08月14日

ユネスコ世界ジオパークの再認定審査 Part 1

74~8日に、アポイ岳ジオパークはユネスコ世界ジオパークの再認定審査を受けました。今回の再認定審査は、ジオパークの品質と機能性を保証するため、4年ごとに審査を行っており、それに基づくものです。

1日目[74日]

再認定審査の初日、2人の審査員、ジン・ジーシン氏とハン・ジンファ氏、そして日本ジオパーク委員会の中田氏が来町されました。

様似町に到着後、オープニングミーティングを開会しました。ここで審査員は様似町アポイ岳ジオパーク推進協議会役員や地域住民に歓迎され、アポイ岳ジオパークの活動を紹介しました。オープニングミーティングが終わると、ホテルアポイ山荘で歓迎夕食会を行いました食事中には、星空観察会や北海道木菓バターサンドなど、ホテルアポイ山荘とジオパークが一体となった活動を紹介するプレゼンテーションも行われました。

01 オープニングミーティング.jpg

2
日目[75日]

2日目からは、アポイ岳ジオパークの活動を紹介するためツアー形式で地域内を回りました。審査員たちはまず様似中学校で、「ふるさとアポイ学」の教育プログラムについてのプレゼンテーションを聞きました。次に、生徒たちが北海道鹿追ジオパークで行う宿泊研修に向けた学習の準備をしている様子を見学しました。

02 中学校.jpg

午前中は、その他にエンルム岬、様似郷土館、岡田チセを訪れました。岡田チセでは、様似アイヌ協会の菊地副会長に歓迎のごあいさつをいただいたあと、チセの内部を見学し、アイヌの文化と歴史について学びました。昼食は、様似民族文化保存会のメンバーが、アイヌの伝統料理による特別ランチを準備してくれました。ランチは、イナキビご飯や焼き魚をはじめ、カボチャやとうきびなどの煮たものを混ぜ、キハダの実添えた「ラタㇱケㇷ゚」、干したタラやワカメ、ネギを入れて作る冷製スープ「ヤマウ」など、どれも美味しい料理でした。

03 チセ写真 (1).jpg


昼食の後は等澍院に行きました。ここでは蝦夷三官寺のひとつであるこの寺が、地形的なこともありここに建てられたことや文化的・歴史的重要性についてお話しいただきました。また、本堂で、日本の伝統的な茶道のお点前を楽しみました。

04 等樹院.jpg


次に向かったのは、日高山脈とアポイ岳を形成したかつてのプレート境界サイトである山中大澗です。このサイトの調査に関わった3名から審査員たちは、この場所の重要性に非常に感動をしました。全員がプレート境界を飛び越える「プレートジャンプ」を終えた後、アポイ岳ジオパークビジターセンターに向かいました。アポイ岳ジオパークの成り立ちや自然・文化などの展示を確認しました。

05 IMG_4607.jpg


この日の最後に、審査委員の方々とアポイ岳ジオパークガイドの会と様似民族文化保存会との夕食交流が開催されました。その中で2009年にユネスコ無形文化遺産に指定されたアイヌの古式舞踊が披露され、最後の輪おどりでは多くの出席者が参加し、楽しんでいました。また、様似の地形の成り立ちに紙芝居「砂粒のはなし」や、アポイ岳ジオパークガイドの会とアポイ岳ファンクラブによるアポイ岳の自然保護活動を楽しく表現した寸劇も披露されました。

06 交流会.jpg

2023年03月09日

「エゾシカDEアクセサリー作り&シカ肉料理」を実施しました!

IMG_7517のコピー.jpg

令和5年2月25日(土)、様似町アポイ岳ジオパーク推進協議会とエゾシカを有効活用する会の共催で、事業を実施しました。

エゾシカは北海道に生息していますが、生息数が増えすぎた関係で農作物等を荒らすことも多く、有害駆除の対象となっています。

今回は、そのエゾシカの角を使ってアクセサリー作り、その後にエゾシカ肉を使った料理の講習会を開催しました。

IMG_7521のコピー.jpg

アクセサリー作りの講師は札幌市在住の宮崎 亨さんです。

宮崎さんがエゾシカの説明や作り方のコツをお話しして作業スタートです。

IMG_7520のコピー.jpg

参加者は、エゾシカの角を見て自分が「ピン」ときた部分を手に取って磨いたり削ったりして形を整えたあと、ビーズや飾りひもなどで仕上げをしていきました。

IMG_7527のコピー.jpg

中には、真っ白くなるまで削り続けた参加者もいました。

IMG_7528のコピー.jpg

アクセサリー完成後は、場所を料理実習室に移して、シカ肉の美味しい調理方法を学びました。

IMG_7530のコピー.jpg

講師の山崎さんの手際のよい"技"に見惚れながら、調理法を学んでいきました。

IMG_7534のコピー.jpg

最後は、参加者で少しずつ試食をしてみました。

参加者は楽しみながら、エゾシカと自分たちの関わりを学んでいました。

2023年03月07日

3年振りの「ジオツアー冬旅」を実施しました!

3月1日(水)

1日目、まずは、産業体験(冬島昆布)を行いました。

IMG_4942(縮小).jpgIMG_4946(縮小).jpg

漁師さんからコンブ漁の仕方等や漁に使用するカギ・ネジリ棹など道具の説明を受けました。

IMG_4977と78結合(縮小).jpg

コンブをカットしサイズを整えて、選葉作業を行いました。

最後に、選葉してあるコンブを油圧式プレスにかけ、結束し20キロ段コンブを作りました。

普段体験することのできない貴重な体験ができたことに満足しており、出荷する際段コンブの結束紐の色によって、コンブの等級が決められていることを知り驚いていました。

ホテルアポイ山荘で地場産品を使用した料理を堪能した後、星空学習会を行いました。

IMG_4985(縮小).jpgIMG_4986(縮小).jpg

ガイドより、ここで見ることができる星座や冬の星座などについて、プロジェクターを使用し説明しました。

あいにくの天気で、外にでて天体観測はできませんでしたが天気のいい日にまた来たいと参加者の皆さんが話しておりました。

IMG_7591(縮小).jpg

3月2日(木)、今回のメイン、アポイ岳の冬山登山です。

夜中から降った雪で、アポイ岳も白く神々しく輝いています。

冬のアポイ岳登山スタートです。

IMG_7599(縮小).jpg

IMG_7594(縮小).jpg

所々でアポイ岳の成り立ちや、アポイ岳の植生のことなどをガイドが説明しました。

IMG_7615(縮小).jpg

五合目を超えて、雪が深くなってきますが、周りは雲の中で真っ白。

景色も見られないので、前だけ向いて進みます。

IMG_7628(縮小).jpg

稜線に出ると雪も深くなり、その上暖気のせいで雪が柔らかくなり、足が埋まって体力を削がれながら進みます。

IMG_7648(縮小).jpg

あきらめかけたその時、それまで滅多にない無風だった稜線に風が吹き始め、雲を流しはじめました。

IMG_7657(縮小).jpg

アポイ山塊の稜線が姿を現しました。

雲の切れ間に吉田岳の山頂が浮かぶ様子は、3,000メートル以上の高山にいるようなダイナミックな光景でした。

IMG_7665(縮小).jpg

晴れたのは、この一瞬だけでしたが素晴らしい光景も見られて、頂上で記念写真を撮る参加者のみなさん。

冬のアポイ岳、そしてアポイ岳ジオパークの素晴らしさを感じていただけたツアーになりました。

2022年10月04日

様似町の魅力を発信!

先月、浦河高校の其田京華さんが、観光行政を学ぶため、 インターンシップに来られました。 その中で「自分のPRしたいことについて、海外に向けて発信できるような紹介文を作成する」というテーマに取り組んでもらいました。
その内容をご紹介します。


様似町の魅力を発信!

様似町の景色は季節が変わっていくごとに変化していきます。

隠れていた魅力を探すのも楽しみの一つです。

00 maps.jpg


まず、様似町とは北海道の日高振興局管内にある町で、浦河町とえりも町に挟まれています。そして全域がアポイ岳ジオパークとしてユネスコ世界ジオパークに認定されています。

漁業が盛んな町でサケやつぶ貝などの多彩な海産物が取れます。

人口は4000人ほどと小さな町ですが人々が温かかったり、きれいな景色がみられたりとたくさんの魅力がつまっています。


※ユネスコ世界ジオパーク...国際的に価値のある地質遺産を保護し、そうした地質遺産がもたらした自然環境や地域の文化への理解を深め、科学研究や教育、地域振興等に活用することにより、自然と人間の共生及び持続可能な開発を実現することを目的とした事業


そんな様似町の中で私が最も好きなものは親子岩という岩です。

そこで私が思う四季の親子岩の魅力について紹介します。


親子岩とは、名前の通り大小3つの岩が親子のように並ぶとても珍しい岩です。

この岩には戦いに敗れたアイヌの酋長が海に入り、大岩になったところに敵の長が矢を放ち、岩が3つになったという言い伝えが残されています。

03 spring.jpg

春は桜が咲き、雪解けが始まります。

桜と親子岩のコントラストはとても綺麗です。写真のように坂の上などから見てみるとまた違った印象になります。

04 summer.jpg

夏は親子岩の海岸が海水浴場となり、ふれ愛ビーチとしてとてもにぎわいます。太陽に照らされてキラキラと光る海に浮かぶ親子岩はとても綺麗です。私は夏の海と親子岩の組み合わせが一番のお気に入りです。


05 fall.jpg

秋は夕焼けがとてもきれいに見えます。秋になると写真撮影に来る人がたくさんいます。この写真のように親子岩の近くにある観音山という山の展望台からは景色を一望することができるのでおすすめです。



06 winter.jpg

冬は親子岩の上に雪がつもり、四季の中でも一番変化を見せる季節です。この写真のように冬にしか見られない景色が広がっているので、写真を撮るのが好きな方にはぜひ来てもらいたい季節です。

このように四季折々の顔を見せてくれる親子岩にはとても魅力があります!




そんなきれいな景色がみられるふれあいビーチ、観音山の近くには町民に愛されるおやき屋があります。

※おやき...小麦粉の生地に餡を入れ、焼いた和菓子のこと

08 oyaki shop.jpg
07 oyaki.jpg

写真のようにおやきは熱々で甘いあんこがぎっしりとつまっていて食べ応えがあり、生地はもちもちとしていてすごくおいしいです。お店の方々はとても優しく、丁寧におやきを作っています。

一つ110円と低価格なので是非一度試してみてください!

09 kanran apoi.jpg



10 oyakoiwa.jpg

また、夕日の沈む親子岩を見ながら食べるおやきは絶品です。

ぜひ様似町に足を運んでみてください!

月別アーカイブ

  • Mt.Apoi Geopark Facebook