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2024年03月25日
カン×カン講座「番傘かざりつくり」を開催しました
2月17日(土)、中央公民館でカン×カン講座@アポイ岳ジオパークビジターセンター「番傘かざりつくり」が行われ、12人が参加しました。番傘は日本の和傘の一つで、竹や木などの骨組みに和紙を貼って作られた雨傘。江戸時代中期に商店が自店の名前と番号を書いた傘を、来店客に無料で貸す宣伝方法が普及しました。江戸市中にその傘があふれ、番傘という名前が定着したそうです。
カン×カン講座は、町立様似図書館と様似郷土館とアポイ岳ジオパークビジターセンターなどの様似町にある館(カン)が連携して月1回を基本に様々な事業を開催しています。今回は各館が番傘にまつわる説明をし、様似町で身近な岩石のかんらん岩とひん岩の薄片を偏光板で観察し、そのかんらん岩の模様の折り紙も使って番傘のかざりを作りました。番傘作成の難易度は高めでしたが、楽しみながら作りました。
番傘のかざりを作成する様子
2015年に山陰海岸ジオパークより寄贈いただいた「しゃんしゃん傘」と傘踊りについても展示を行いました。多くの方が関心を寄せていました。
広報さまに3月号にも記事が掲載されていますので、ごらんください。
http://www.samani.jp/koho/202403p12p15.pdf
〇来年度のカン×カン講座
令和6年度は毎月行います。次回は、カン✕カン講座@図書館「楽読みしおりを作って様似町史を読もう」です。4月20日(土)に中央公民館小ホール会場です。
〇カン×カン講座の事業紹介展
講座の紹介展示を行います。ぜひご覧ください。
とき:4月10日~17日、ところ:中央公民館ギャラリー
2023年10月23日
香港のライオンズ自然教育財団
10月4~7日に香港ライオンズ自然教育財団(LNEF)の6名が様似町に来町し、アポイ岳ジオパークのツアーを行いました。LNEFはユネスコ世界ジオパークと多くの関わりがあり、最近では香港ユネスコ世界ジオパークとのつながりで、アポイ岳ジオパークへの訪問を手配することができました。
ツアーが正式にスタートしたのは10月5日ですが、ちょうどその頃、この地域は悪天候に被害が起こしてしましました。24時間に約200mlの大雨が降り、西様似地区では大きな洪水と土砂崩れを引き起こし、様似町の国道が通行止めになりました。
悪天候のなかでもツアーを続けることができましたが、スケジュールを調整しなければなりませんでした。LNEFのメンバーがジオパークについてもっと知ることができるように、まずビジターセンターからスタートしました。そこからエンルム岬に向かいました。
エンルム岬
次に中央公民館に降り立ち、中学生が考案したアポイドリーム弁当を食べました。昼食後、また雨が降り出しましたので、次の目的地は様似図書館で、「様似のむかしばなし」のアニメーションを見たり、ジオパークコーナーを探検したりしました。
雨は少し上がりましたので、幌満峡まで行って、東邦オリビン採石場を見学し、幌満生活感でお茶休憩をしました。ホテルに戻る途中、プレート境界の跡地に立ち寄ったが、また激しい雨が降り始めましたので、長くいませんでした。夕食は地元のレストラン「おみなえし」で、美味しい刺身と天ぷら定食が提供されました。
ツアー2日目のスケジュールも調整され、石磨きやアイヌ刺繍教室といった屋内でのアクティビティが中心となりました。幸運にも午後は雨が止み、ブラアポイを行うことができました。
アイヌ衣装の体験
また、幌満峡の稲荷神社まで行けるようになり、川を泳いで産卵するサケを見ることができました。一日の最後には、ホテルアポイ山荘で夕食の交流会が開かれました。交流会では、LNEFの代表が、香港ライオンズクラブの活動や香港ユネスコ世界ジオパークとの協力について説明しました。LNEFはまた、アポイ岳ジオパークにLNEFの30周年を祝う記念名盤と出版物を贈呈していただきました。2日間のツアーを締めくくるに素晴らしい交流会となりました。
2023年08月21日
アポイ星空観察会
アポイ星空観察会は、ホテルアポイ山荘が主催し、アポイ岳ジオパーク認定ガイドが月2回ほど案内します。8月12日(土)の星空観察会の様子を紹介させていただきます。
8月12日、曇り空の中、15名の参加者が星空観察会に集まりました。ホテルアポイ山荘のミーティングルームで集合して、島田ガイドと阿部ガイドが夜空について、そしてこの時期に見える星や星座について説明していました。説明では、さまざまな星座が紹介されただけでなく、アイヌ語の星座名や意味も紹介されました。
このイベントは、8月によく見られるペルセウス座流星群にぴったりのタイミングでした。
屋内説明の最後には、アポイ岳が宇宙とどのようにつながっているかを教えてくれました。アポイ岳は希少なかんらん岩でできて、はやぶさ(探査機)ミッションから持ち帰られたサンプルにはかんらん岩が含まれていました!ガイドがかんらん岩のサンプルと隕石のかけらを配って、皆さんに見てもらいました。
島田ガイドはすぐに外に出て天気を確認し、雲の一部が切れて星が見えると嬉しそうに告げました。ホテルアポイ山荘が参加者全員に小さな懐中電灯を貸してくれたので、参加者たちは駐車場を通り過ぎてホテルの裏の小高い丘に登り、暗くて開けた場所に出ました。
雲が切れ、星と天の川が見えてきました。ガイドがレーザーポインターで、以前紹介した星や星座を指さしてくれました。私たちは白鳥座や夏の大三角形などが見えました。ペルセウス座流星群の流星もいくつか見えました!
今後のアポイ星空観察会の情報は、ホテルアポイ山荘のホームページでご確認ください。
https://www.apoi-sanso.co.jp/
お待ちしております!
2023年08月14日
ユネスコ世界ジオパークの再認定審査 Part 2
3日目[7月6日]
3日目のスタートは町立様似図書館に向かいました。司書から「ジオパークコーナー」と呼ばれるジオパーク関連資料や様似郷土館、アポイ岳ジオパークビジターセンター、町立様似図書館の間で行われている「カン×カン講座などの協力事業について説明いただいた後、様似町にまつわるアイヌの伝説を伝えるために図書館が制作した新しいアニメーションを2本鑑賞しました。
この後、様似町立小学校の裏にある旧採石場かんらん岩広場を確認し、様似小学校に向かいました。小学校では札幌大谷大学の「オオタニアートキャラバン」として小学5年生にかんらん岩を砕いて日本画の絵の具の作りを教えていました。審査員たちはその過程に非常に興味を持ち、授業を見守っていました。授業が終わったあと、全員で記念写真を撮りました。
昼食は、かんらん岩が織りなす「幌満峡」のお膝元にある「幌満コミュニティセンター」でした。ここで幌満地区の住民に出迎えていただき、幌満の海岸線で採れた昆布とふのりの味噌汁を用意してくれていました。様似中学校の生徒たちが、アポイ岳ジオパークを表現したレシピを考えたアポイドリーム弁当とともに美味しくいただきました。
昼食の後、ジオパーク学術顧問の新井田先生がジオ・ラボを案内しました。その後、幌満峡にある稲荷神社のサイトに立ち寄り、かんらん岩の多様な種類や水力発電所について話を聞きました。川を眺めながら、まんまの会が作ったかんらん岩餅と昆布茶をいただきました。
4日目[7月7日]
4日目は早朝から冬島地区にある附田さんの昆布小屋を訪問しました。ここでは、昆布の収穫がどのようなものかを審査員たちに垣間見せてくれました。全員が順番に昆布を並べて干した後、昆布小屋の中に入り、昆布がどのように切られ、分けられ、選別され、箱詰めされるかを見学しました。ジンさんは昆布の束を切りそろえる作業を体験し、とても手際よく進めていました。
次に、アポイ岳の麓に向かい「ブラアポイ」という自然観察会とアポイ岳の第2休憩所までの登山ガイドを体験しましたこの日は気温が高いなかでしたが、審査員たちは、登山道がどのように整備されているのか、どんな動物が見られるのかなど、たくさんの質問をしていました。
この日の昼食は、地元の「まんまの会」という団体が用意してくれました。地元で水揚げされた水産物を活かしたお弁当とお味噌汁はとても美味しく、"おかわり"をしながら昼食を楽しみました。午後の残りの時間は、様似観光案内所や、エンルム岬の裏側、冬島の穴岩などのジオパークサイトを巡りました。
5日目[7月8日]
この日が再認定審査の最終日でした。朝一番でクロージングミーティングが開かれ、審査員からジオパークの全体的な感想と今後のアドバイスが述べられました。町の代表者や住民が集まって審査員を見送るなか、会場を出発し親子岩ふれあいビーチに立ち寄り津波避難訓の様子を審査員に説明アポイ岳ジオパークを後にしました。
今回の再認定審査は大成功だと思いますが、これもひとえに町民の皆様、地元団体、ガイド、小中学校の先生や生徒の皆様のご支援、ご協力の賜物です。アポイ岳ジオパークを支えてくださるすべての方々に、心から感謝しています。
また、アポイ岳ジオパーク再認定審査にお出でいただいた2名のジオパーク審査員と日本ジオパーク委員会アドバイザーに深い感謝を申し上げます。
再認定審査の結果は来年早々に発表されます!
2023年08月14日
ユネスコ世界ジオパークの再認定審査 Part 1
7月4日~8日に、アポイ岳ジオパークはユネスコ世界ジオパークの再認定審査を受けました。今回の再認定審査は、ジオパークの品質と機能性を保証するため、4年ごとに審査を行っており、それに基づくものです。
1日目[7月4日]
再認定審査の初日、2人の審査員、ジン・ジーシン氏とハン・ジンファ氏、そして日本ジオパーク委員会の中田氏が来町されました。
様似町に到着後、オープニングミーティングを開会しました。ここで審査員は様似町アポイ岳ジオパーク推進協議会役員や地域住民に歓迎され、アポイ岳ジオパークの活動を紹介しました。オープニングミーティングが終わると、ホテルアポイ山荘で歓迎夕食会を行いました食事中には、星空観察会や北海道木菓バターサンドなど、ホテルアポイ山荘とジオパークが一体となった活動を紹介するプレゼンテーションも行われました。
2日目からは、アポイ岳ジオパークの活動を紹介するためツアー形式で地域内を回りました。審査員たちはまず様似中学校で、「ふるさとアポイ学」の教育プログラムについてのプレゼンテーションを聞きました。次に、生徒たちが北海道鹿追ジオパークで行う宿泊研修に向けた学習の準備をしている様子を見学しました。
午前中は、その他にエンルム岬、様似郷土館、岡田チセを訪れました。岡田チセでは、様似アイヌ協会の菊地副会長に歓迎のごあいさつをいただいたあと、チセの内部を見学し、アイヌの文化と歴史について学びました。昼食は、様似民族文化保存会のメンバーが、アイヌの伝統料理による特別ランチを準備してくれました。ランチは、イナキビご飯や焼き魚をはじめ、カボチャやとうきびなどの煮たものを混ぜ、キハダの実添えた「ラタㇱケㇷ゚」、干したタラやワカメ、ネギを入れて作る冷製スープ「ヤマウ」など、どれも美味しい料理でした。
昼食の後は等澍院に行きました。ここでは蝦夷三官寺のひとつであるこの寺が、地形的なこともありここに建てられたことや文化的・歴史的重要性についてお話しいただきました。また、本堂で、日本の伝統的な茶道のお点前を楽しみました。
次に向かったのは、日高山脈とアポイ岳を形成したかつてのプレート境界サイトである山中大澗です。このサイトの調査に関わった3名から審査員たちは、この場所の重要性に非常に感動をしました。全員がプレート境界を飛び越える「プレートジャンプ」を終えた後、アポイ岳ジオパークビジターセンターに向かいました。アポイ岳ジオパークの成り立ちや自然・文化などの展示を確認しました。
この日の最後に、審査委員の方々とアポイ岳ジオパークガイドの会と様似民族文化保存協会との夕食交流が開催されました。その中で2009年にユネスコ無形文化遺産に指定されたアイヌの古式舞踊が披露され、最後の輪おどりでは多くの出席者が参加し、楽しんでいました。また、様似の地形の成り立ちに紙芝居「砂粒のはなし」や、アポイ岳ジオパークガイドの会とアポイ岳ファンクラブによるアポイ岳の自然保護活動を楽しく表現した寸劇も披露されました。