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2025年10月30日
アポイカレッジ「知って防ごう!アライグマ」に行ってきました
10月30日(木)に、「知って防ごう!アライグマ」に行ってきました。60名程の参加者で、関心の高さがうかがえました。最近、様似町内ではアライグマの捕獲数が激増しています。アライグマは元々様似にいた動物ではなく、その生態を知って被害を防ぐ対策を、それぞれの方が取っていくことが必要。今回の講演ではアライグマの生態や、被害を防ぐための知識などをお話いただきました。講師は北海道大学名誉教授の池田透氏でした。
▼アライグマの定着の歴史
北海道では1977年に最初の定着、現在は全道(2025年1月で167市町村)に拡散。
▼アライグマの生態と社会への影響
夜行性で、触角に優れている。エゾシカどころでない繁殖力があり、エゾシカは年に1頭出産だが、アライグマは平均4頭。
侵略的外来種が引き起こす問題としては、商品作物被害(様似町では主にスイートコーンとイチゴ)だけでなく、住居侵入による生活被害、人獣共通感染症の媒介、競合による在来種の排除置換、捕食による在来種の減少がある。
▼アライグマの防除
学習能力が高いが、それ以上に好奇心旺盛で、ワナを回避せずに逆にワナに強い関心を示すため、比較的捕獲は容易な動物。
広域分布するアライグマ防除においては、技術・戦略的課題よりも社会的防除体制整備が喫緊の課題。
ワナにはいろいろと工夫があるようです。先進地のニュージーランドで、いろいろと工夫しながら取り組んでいる話が印象的でした。
貸出ワナとその記録からCPUE(Catch Per Unit Effort)が把握できれば捕獲地域の生息密度が推定でき、そうすると生息頭数が推定できるので、アライグマを減少させるためには生息頭数の半数を目標捕獲頭数にすればよいとのことで、データに基づいた科学的知見の活用に活路があるそうです。
箱ワナは毎日の見回りが必要なところが大変で、巣箱型ワナについても動画で説明がありました。
▼様似町のアライグマ防除
様似町は令和3年度様似町鳥獣被害防止計画をつくっているため、アライグマの捕獲講習(本講演会)を受講してアライグマ防除従事者証を所持すれば、狩猟免許を持たずともアライグマの捕獲に従事することが可能となります。期間は確認しなかったので不明ですが、1年間?
▼最後に
えりも町では町郷土資料館が豊似湖畔での駆除事例として、湖畔周辺には保全が必要な希少在来生物の生息地のほか、ヒグマの生息地で観光客の自然散策地でもあることから、巣箱型ワナで捕獲しています。
駆除に必要なポイントとして、早期発見・迅速な防除、地域住民の協力。被害防止は知ることから。陸続きでありますので、対策しないと入り込む一方。広域での取り組みも重要であるということを学んだ講演会でした。



