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2025年10月23日

アポイカレッジ「ヒダカソウを絶滅させないために~絶滅危惧高山植物を生育地に植え戻す~」開催しました

アポイカレッジ「ヒダカソウを絶滅させないために~絶滅危惧高山植物を生育地に植え戻す~」を、1023日(木)に開催しました。講師は、北海道立総合研究機構の綱本良啓氏です。

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北海道生物の多様性の保全等に関する条例(2013年)では、指定希少野生動植物として「植物23種、昆虫4種」が指定。採取・損傷は禁止されています。個体数・開花数などを定期的にモニタリングしており、ヒダカソウ、エンビセンノウ、ユウバリクモマグサ、キバナノアツモリソウなどが該当します。一部の種は、遺伝解析、域外保全、移植試験などが実施されています。

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様似町の花であるヒダカソウは、アポイ岳の固有種。過去の大規模な盗掘により減少しました。環境省のレッドリスト絶滅危惧ⅠA であり、いつ絶滅してもおかしくない状況です。花が咲かないということは、生息地で世代交代ができていないということです。

アポイ岳のお花畑は、風衝地に成立しています。

※風衝地:尾根沿いの絶えず強風にさらされ、冬季は積雪がほとんどない

過去40年間の変化として、アポイ岳の高山植生は減少しています。植生の変化は今後も続きます。ヒダカソウの保護(立ち入り禁止、盗掘防止)だけでは守れません。積極的な保全策(人が自然に手を入れるような)が必要となっています。

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▼ハイマツ伐採試験(2017年~2022年)も行ってきました。

・ハイマツの無い本来の生育地:小さな個体のみ

・ハイマツ群落の下:比較的大きい個体見られる

という結果になっています。光が当たるようにすれば、ということで、

伐採後、3年後に少数の開花が認められました。ですが、個体数減っている問題があり、全く効果ないわけではないがという状況です。

▼域外保全(2011年~)も行ってきました。

北海道大学植物園協力で、増殖個体は、花も咲き、種もとれる状況です。栽培技術は確立し、絶滅は避けられる状況です。

▼今回行ったのは、道総研によるヒダカソウのアポイ岳への移植試験。

108日(水)に、20人参加(道総研・北海道・アポイ岳ファンクラブ・様似町など)で実施されました。

貴重な高山植物群落ですので、

移植による悪影響ないの?環境が悪化している自生地での移植成功率は?成功率などを加味して、30/×3年間を予定し、様子を見ながら進めます。

今回はヒダカソウのお話でしたが、他の植生どう守っていくのか?という課題も残ります。

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