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2021年02月03日

今冬もジュエリーアイスがやってきました

昨年に比べると雪も多いし、寒さも厳しい冬を迎えているアポイ岳ジオパークです。

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観光案内所の入る様似駅も先週かなり雪化粧しました。

(事務局(様似町役場)的には雪かきが発生するのですが...)

「駅」としては最後の冬です。

さて、昨冬もジュエリーアイスの記事を書きましたが、1月末も強い西風が吹いたので、

2月1日に親子岩ふれ愛ビーチへ行ってみると沢山の氷が打ち上がっていました。


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去年見つけた時より、数も多いし、大きいですね。

なぜ西風がポイントかというと、氷の供給元になる川(海辺川/うんべがわ)の河口が砂浜の西側に位置しているからです。

今日は立春ですが、まだまだ寒い北海道、また西風が吹いたら見に行ってみようと思います。(クド)


昨年のブログ記事

2020年12月07日

りゅうぐうからのカプセルに「かんらん石」は入っているのか?

126日未明、小惑星探査機はやぶさ2を離れたカプセルがオーストラリア南部の砂漠にたどり着きました。6年にわたる長旅からの地球帰還です。カプセルには、地球と火星の間を回る小惑星「りゅうぐう」で採取した砂が入っていると言われています。これが含まれているとすると、月よりも遠い場所の地中の砂を持ってくるという世界初の快挙です。

探査機はやぶさ2の大きさは、1.5m立方くらい。こんなに小さな体で、目では見ることができない宇宙のかなたにある小惑星「りゅうぐう」まで行って、地球に戻ってきたのですね。おかえりなさい。そして、いってらっしゃい。別の小惑星への到着は20317月頃のようです。

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宇宙つながりということでエンルム岬と星の写真

ところで、約10年前のアポイ岳ジオパーク(様似町)も、先代「はやぶさ」の帰還に盛り上がっていました。先代「はやぶさ」のカプセルに入っていたものが「かんらん石」などを含んだ岩石の粒子だったのです。当時のアポイ岳ジオパークブログをご覧ください。

https://www.apoi-geopark.jp/blog/2010/12/post.html

その後、詳しく調査が進み、とある様似町のかんらん岩と成分がそっくりであることがわかっています。

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写真は、かんらん岩の渓谷・幌満峡の幌満ダムからの景色。ダムの奥には雪景色の日高山脈の広尾岳が見えます。

りゅうぐうの砂は、私たちの住む太陽系のはじまりのときの姿を教えてくれることでしょう。りゅうぐうの砂に「かんらん石」が含まれているかどうかも気になるところです。12月中旬には、どれくらい採取されたのかがわかるようです。今後が楽しみです。

最後に、はやぶさ2と同じように宇宙からやってきた「コンドライト隕石を見てみよう」講座を行いました。その様子を広報さまに12月アポイ岳ジオパークトピック&ニュースからもご覧ください。(ジオ美)

http://www.samani.jp/koho/

2020年10月29日

第3回インバウンド向け様似山道モニターツアー

10月中旬に3回目の外国観光客向けのモニターツアーを行いました。前回までのツアーは、車で各サイトを回って行った行動と比べて、今回のツアーでは歴史的な様似山道をハイキングすることにしました。今回は4人の参加者と1人のガイドと1人の通訳者がいました。

朝9時に幌満コミュニティーセンターで参加者と待ち合わせをしました。登山口へ向かう前に近くにある和助地蔵を訪ねました。和助氏は様似山道開削に大いに尽力だそうです。その孫になる方は函館大経という方で、日本競馬のパイオニアであるとのお話を聞きました。次に、東入り口に向かう途中に「念仏坂」について話しました。「坂」と言っても、ただの坂ではありません。非常に険しい坂ですが、様似山道ができる前はこの地域を通るために、恐ろしさから念仏を唱えながら坂を登ったそうです。

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やっと東入り口に着いてハイキングを開始!最初のところを上がると1個目の碍子を見つけました。様似山道は明治時代に電信電話線の作業道にも使用されていた道です。山道沿いに碍子と電柱があちこちに見えます。碍子には電機会社のロゴマークがついているものがあり、参加者はいくつの異なるロゴマークを見つけることが出来るか探してみるように言われました。

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「山エツ」は愛知県瀬戸市に所在する山悦電機製陶株式会社(1886~)


森の中に入っていると、開けた場所が目の前に広がっていました。ガイドさんは参加者になぜここに木がないのでしょうか、と尋ねました。いくつかの答えが出されましたが、どれも正しくありませんでした。実は、様似山道ができる前に地元の人がここの崖の上で農業をしていたからだそうです。農業のために道具を背負って念仏坂を上下することを想像できますか??

山道を進むと、ルランベツの沢、様似山道で最も標高の低い場所に着きました。沢を渡り、反対側に登るためのロープが設置されています。少し難しかったですが、皆さんは無事に登ることが出来ました。

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沢からちょっと離れていくと分かれ道があり、右に曲がると日高耶馬渓の素晴らしい眺めが見渡せます。崖と美しい青い海を眺めることが出来ました。

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展望台から一時間くらいで、原田宿跡に到着しました。ここで長い休憩を取って、参加者が持参したお弁当を食べました。皆さんが食べ終わったら、ガイドさんは原田宿について説明したり、3年前ぐらいに発掘調査を行ったことを話したりしました。現在にも時々、地面の上に当時をお茶わんの欠片などが見つけられます。

原田宿跡からコトニ入り口までは1時間で、途中でいくつかのの沢を渡りました。様似山道の沢名はアイヌ語から由来しています。コモマモナイの沢はアイヌ語で枯葉の多いところという意味で、オホナイの沢は深い沢の意味です。

山道の終わりころに、ガイドさんは木にある爪の跡を指さしました。その爪跡は木の上までずっとありました。これは熊が木の実を取るために木登りをしたということです。「心配しないで、これは古い爪跡ですよ。」とガイドさんは言いました。

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4.5時間のハイキングの後、いよいよ出口であるコトニ口に到着しました!様似山道は不思議な道で、現在の道路ができる以前にこの地域をどうやって旅したのかを体験できる道です。

(D)

2020年08月31日

第2回のインバウンド向け幌満峡モニタツアーを開催しました

7月19日に、第2回の外国人向けのモニタツアーを行いました。このツアーの目的は外国人へのガイド対応研修や外国の方向けのアクティビティの模索、通訳とガイドの連携確認などたくさんのことを含んでいます。

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今回、幌満峡を探検することになりました。ジオラボアポイ岳の前で参加者と集合しました。この幌満ツアーも新型コロナウイルス感染症対策のためにALT3人、ガイドさん2人、ジオパークスタッフ1人、通訳者1人という、少人数で回りました。雨が降りそうな空の下で集まりましたが、幸いに雨は降りませんでした。今回のガイドさんを紹介してから、ワゴンに乗って出発です!

最初の目的地へ行く途中で東邦オリビン工場株式会社の前に通って、まだ活躍中の砕石場だと学びました。砕石された石が様似町のあちこちで見られます。

一番目の目的地はジオサイトA3「ゴヨウマツ記念碑」でした。ゴヨウマツは本州中部から北海道南部にかけて分布しています。ここの群落は北限の自生地として、国の天然記念物に指定されています。

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ゴヨウマツの特徴の一つは、一般的な松葉は二本に枝分かれしていますが、ゴヨウマツは5本の松葉があります。ジオサイトA3の周囲はナキウサギの生息地です。ふつうは標高1500mを超える山々に生息していますが、ここは標高わずか50mで見かけることができるという世界中でも珍しいところです。ナキウサギは非常に警戒心が強いため、残念ながら本物を見ることはできませんでした。次に河原まで降り、幌満かんらん岩の起源や、どうしてかんらん岩がすべての岩石の母体であると考えられているかについて学びました。

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二番目の目的地はジオサイトA6「幌満川稲荷神社」に立ち寄りました。ここでは稲荷神社の歴史とキツネとの関係についてガイドさんからの説明を聞きました。古代日本は仏教じゃなくて、アニミズムでした。アニミズムというのは自然界の物に(植物・動物・石など)に神を宿っているとする考えです。稲作が盛んになるにつれてコメを食い荒らすネズミとかを捕ってくれる生き物として、キツネが神として大切にされました。それゆえに、キツネは正一位という古代の高い位を与えられて、神という扱いに変わっていきました。キツネの大好物は油揚げと言われていましたので、油揚げを使った寿司は「稲荷寿司」と呼ばれています。その話をしながら、ガイドさんは参加者に用意した稲荷寿司を配りました。

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幌満川稲荷神社は1936年に「日高電灯株式会社」によって建てられました。日高電灯は日高地方の海岸沿いの町のために川の水を利用して発電する水力発電所です。

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稲荷神社の後はジオサイトA7「幌満ダム(第3発電所堰堤)」に行きました。幌満ダムは幌満かんらん岩体の端にあり、ここで景色が大きく変化するので分かりやすいです。晴れたら、日高山脈もよく見えますが、残念なことに、雲が眺めを遮ったので代わりに写真で見ました。地面の構成は固いかんらん岩から柔らかい斑レイ岩や変成岩に変化します。

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ガイドさんは地層の図解を使って、北アメリカプレートとユーラシアンプレートが衝突して山脈が成り立つ際、北アメリカプレートが突き上げられるようになりユニークな垂直方向の地層がつくられたということでした。ダムに立つと広尾岳を見て、地球の上部マントルの中から地表を見るような地質が広がっており、湖の向こうを眺めながら何百万年前に地形が作られた大陸プレートの様々な様子が想像できます。

ガイドさんが英語の写真や図解を使っていたので、説明はわかりやすかったです。
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ジオラボアポイ岳に戻る途中で、ジオサイトA2「旧オリビン採石場下の河原」に寄りました。ここで参加者に安全めがね、軍手とハンマーを配って、河原の岩石の中身が見えるように割らせてもらいました。浸食された岩石の外側は見せかけで、綺麗な鉱物組成を見ることには割るしかありません。適当な岩石を選ぶのは楽しかったです。最後に、参加者は素敵な標本を見つけました!

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2020年06月19日

盗掘防止パトロールに行ってきました

北海道日高振興局と連携して定期的に実施しているパトロールに参加してきました。

私が参加したのは、先月以来約1カ月ぶりです。

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あいにくの天気でしたが、馬の背から下を見ると雲海となり、これはこれで綺麗です。
(標高2000mです、と言ったら信じてもらえそう)

1カ月経つと咲く花もすっかり様変わりします。見かけた花をいくつか紹介します。

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エゾコウゾリナ


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アポイヤマブキショウマ


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エゾルリムラサキ


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キンロバイ


これらの花はこれからの花期なので、しばらくは楽しめるかと思います。

当日は、吉田岳からの幌満お花畑経由で回ってきたので、結構くたびれました。

運動不足なのか、歳のせいなのか(両方なのか...)

今日から移動制限が緩和されて、アポイ岳への登山を計画されている方もいらっしゃるかと思いますが、間隔の確保など新型コロナウイルス感染拡大防止について、引き続き適切な対応をお願いします。(クド)

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