3. アポイのかんらん岩はとても新鮮

サブテーマA:
かんらん岩から大地の変動を学び楽しむ

 かんらん岩は、主にかんらん石、直方輝石、単斜輝石という3つの鉱物からできています。そのうち、最も多く含まれているのがオリーブ色をしたかんらん石で、その美しい結晶は8月の誕生石「ペリドット」という宝石になります。かんらん石の学名「オリビン」は、このオリーブ色からつけられました。地下深いところにあったため、ち密でとても重く、比重(g/cm3)は3.0から3.3にもなります。

 かんらん岩は、地下深くのマントルから上がってくる過程で、水分と反応して「蛇紋岩」という別の岩石に変化してしまうことが多いのですが、アポイ岳のそれはほとんど変質することなく地上に現れています。また、含まれる鉱物の種類や割合の違うさまざまなタイプのかんらん岩があることから、マグマがどのようにしてできるのかなど、地下の様子を知るうえでの貴重な学術標本となっており、「幌満かんらん岩(Horoman-peridotite)」の名で世界的に知られています。

ダナイト(ダンかんらん岩)
含まれるかんらん石の割合が9割以上のもの
ハルツバージャイト(直方輝石かんらん岩)
かんらん石を6割以上含む岩石のうち、直方輝石に富むもの
レルゾライト(複輝石かんらん岩)
かんらん石を6割以上含む岩石のうち、直方輝石と単斜輝石の両方を多く含むもの
斜長石レルゾライト(斜長石複輝石かんらん岩)
レルゾライトのうち、斜長石を多く含むもの