ブログ

2014年06月25日

ばたばたの4日間_東京からのお客様をご案内~!

さて、前日からの続きです。丹羽さんのジオ塾講座・登山を終えたその日の夕方、東京からアポイ岳ジオパークツアーのお客様32名をお迎えしました。アポイ登山と平場のジオサイトをご案内したのですが、登山の方はワタクシ同行しませんでしたので、2日目のジオサイト巡りをご紹介します。

まず、向かったのはエンルム岬。前日の好天とは打って変わって、濃霧のため何にも見えません。本当なら、アポイ岳や様似の街並みが一望できるのですが、、、残念。でも、解説看板とミズノンガイドの話術で盛り上げます。

山遊会_エンルム.jpg

同じくビュースポットの観音山でも、展望台にはお連れせず、もっぱら植物談義。たまたま調査で居合わせた丹羽さんにも臨時のガイドになってもらいました。使える人はだれでも使うのがアポイ岳流です。

山遊会_観音山.jpg

蝦夷三官寺・等澍院では、住職に説明してもらいました。

山遊会_等樹院.jpg

今年新たにジオサイトに加えた、様小裏の旧石切り場にもご案内。様似町の西半分の丘陵地帯は白亜紀の堆積岩層ですが、ここはその地層を観察できるサイトです。

山遊会_旧石切り場.jpg

これも今年追加したジオサイト・岡田のチセ。チセとは、先住民族アイヌの伝統家屋のこと。数年前に復元されたものを、ここのアイヌ文化を紹介するサイトとして活用しているのです。

山遊会_チセ.jpg

解説してくれたのは、アイヌ生活相談員で文化伝承活動にもかかわっているオ~ノさん。15分という短い時間での的確な解説はさすがです。

山遊会_チセガイド.jpg

途中、いつもの花蘂水産に立ち寄って、シモさんの真ツブ解説を聞いてもらい、、、、

山遊会_花蘂.jpg

地元経済にも貢献してもらいました。

山遊会_花蘂お土産.jpg

昼食後は、冬島の穴岩へ。裏側から岩の上にある段丘礫を観察し、大地の隆起を実感です。

山遊会_穴岩.jpg

日高変成帯の地質であり、断層がバチバチ入った大正トンネル付近の露頭。熱と圧力で変成した片麻岩やその間に貫入したマグマ(花崗岩類)の荒々しさに一同興奮気味?

山遊会_大正トンネル.jpg

その興奮を岸に上がった昆布の観察で冷やします。「これで何年ぐらい?」「2年です」

山遊会_昆布.jpg

日高耶馬渓と称している、高さ80~100mの断崖絶壁。その上にも、段丘堆積物が見られます。100m上もかつての波打ち際。このあたりの大地の隆起のすごさが伝わりますね。

山遊会_耶馬渓.jpg

最後は、幌満峡の入口・泉橋でお別れ。一行は、襟裳岬へと向かったのでした。

山遊会_泉橋.jpg

2泊3日のアポイ岳ジオパークツアー。ご紹介はできなかったものの、前日のアポイ登山も好天に恵まれ花と岩と景色を満喫。また、平場も楽しんでもらえたのではないかと思います。ツアーの皆様、ありがとうございました。

そして、皆様をお見送りしたあとは、この日の夜に予定のオマーン講演会へ。その模様はまた明日にでも。(タク)

2014年06月24日

ばたばたの4日間_まずはジオ塾報告です!

先週末から今週にかけて、3つの行事が重なり、てんやわんやでした。その様子を簡単にご紹介。まずは、20日(金)~21日(土)のふるさとジオ塾の第3~4回です。

ジオ塾_丹羽さん講演.jpg

20日の夜は第3回講座「アポイ岳の高山植物の不思議と様似の動植物」と題して、さっぽろ自然調査館の丹羽さんの講義を受けました。アポイ岳だけでなく、その周辺(日高)の植生も知ることで、特異なアポイ岳の植生を理解しようというのが本講座の趣旨でした。また、地質や地形と植生を結びつけたガイドの心得についても教えてもらいました。

ジオ塾アポイ登山DSC_6867.jpg

そして、翌日の土曜日には、前日の講義の内容を実地でおさらいしようと、同じく丹羽さんにガイドになっていただき、アポイ岳登山を行いました。

ジオ塾_登山_マツ林.jpg

樹林帯が続く1~5合目までは、温帯性の植物と亜寒帯性の植物が混生する特殊性や、地質の影響などについてじっくり学びました。

ジオ塾_登山_ハクウンボク花.jpg

歩いていると、トドマツの幼木の葉っぱにこんな花が、、、新種か?

ジオ塾_登山_ハクウンボク.jpg

いえいえ、上を見上げると同じ花が、、、ハクウンボクの花が落ちてきたのです。下向きに咲くのがこの木の特徴とか。

ジオ塾_登山_7合目.jpg

5合目から上の高山帯では、高山植物のレクチャーです。海の方にはみごとな雲海が広がっていました。

ジオ塾_登山_アポイヤマブキ.jpg

この時期の主役は、アポイヤマブキショウマ

ジオ塾_登山_エゾコウゾリナ.jpg

そして、もう一人の主役は、1属1種のエゾコウゾリナ

ジオ塾_登山_アポイハハコ.jpg

アポイハハコも咲いていました。

ジオ塾_登山_ロックガーデン.jpg

馬の背から頂上にかけてのロックガーデンにもたくさんの花が咲いていました。

ジオ塾_登山_チシマキンレイ.jpg

チシマキンレイカ

ジオ塾_登山_頂上.jpg

なんとたっぷり5時間かけて山頂に到着。疲れました~。でも、疲れてはいられない。ただちに下山し、東京からのツアー一行をお迎えに。その模様はまた明日にでも、、、、(タク)

2014年06月10日

ジオツアー第2弾 「花の楽園!アポイ岳花登山ツアー」 第2日目

みなさん、こんにちは。コダマと申します。

引き続き、アポイ岳花登山ツアー第2日目 「アポイ登山」の様子をお伝えします。

 

01ビジターDSC_0019.jpg

朝のビジターセンター前。あいにくの空模様。天気予報は「雨、時々やむ」。

主催者としては、非常に悩ましい天候ですが、決行です。

朝のミーテイングと、IYOKIガイドの「体操」を終え、2班に分かれ出発!

 

02インフォメーションボードDSC_0025.jpg

登山口のインフォメーションボードには、今咲いている花の写真を掲示しています。

ガイドとともに確認。

 

035合目DSC_0037.jpg

ガイドが説明しながらでしたので、時間はちょっと押し気味でしたが、足取りは順調に5合目に到着。

画面右にアポイ岳山頂が見えています。山頂が見えるということは、雨は大丈夫かな。

 

047合目DSC_0067.jpg

5合目~6合目~7合目の急な登りを無事通過。

 

04馬の背で観察DSC_0082.jpg

馬の背の高山植物を観察しながら登ります。

 

05信太ガイドDSC_6755.jpg

ガイドさんの話も楽しみながら登りましょう。

 

07のぼりDSC_6764.jpg

頂上まであとひといき。

 

08アポイヤマブキショウマDSC_6765.jpg

アポイヤマブキショウマ

 

09ミヤマオダマキDSC_6770.jpg

紫色の花を咲かせたミヤマオダマキが、あちこちに見られました。

 

10アポイアズマギクDSC_6773.jpg

下のほうでは花の終わりかけているアポイアズマギクも、8合目あたりではきれいな花を咲かせていました。

 

11振り返るとDSC_6776.jpg

頂上を目前に、青空も見えてきました。後ろをふりかえると・・・

 

12絶景がDSC_6777.jpg

絶景です。

雨上がりで空気が澄み、新緑がまぶしいほどです。フツウの晴れの日では、見られない色だと思いました。

朝、登り始めは天候を心配していたのですが、今日はラッキーですね!

 

13セミDSC_6790.jpg

日差しも強まり暑いくらい。木の枝の向こう側にいるセミ?のハネがわかりますか?

 

14集合写真DSC_6791.jpg

頂上で記念撮影です。みな笑顔。 (ちょっとボカしています)

 

16馬の背と様似DSC_6799.jpg

帰り道、馬の背に立つ参加者の背後に、エンルム岬など様似の風景が重なってきれいに見えました。

 

参加者のうちお二人は大事をとって8合目から降りられましたが、その他のかたは全員登頂し、全員ケガもなく予定の時間に下山できました。

 

朝の雨降りには心配させられましたが、なんとも思い出に残る一日でした。

昔よりは花は少なくなりましたが、かんらん岩の山、アポイ岳でしか見られない貴重な花や、山から間近に見える太平洋の風景を見に、アポイ岳ジオパークに来ませんか?

参加者の皆さま、ありがとうございました。

ではまた、ジオツアーのご参加をお待ちしています!!

(コダマ)

2014年06月10日

ジオツアー第2弾 「花の楽園!アポイ岳花登山ツアー」 第1日目

みなさん、こんにちは。コダマと申します。

この4月からジオパークの担当に加わりました。どうぞよろしくお願いします。

 

さて、ジオツアー第2弾「花の楽園!アポイ岳花登山ツアー」が開催されました。

第1日目、6月7日(土)に行われた、町内バスツアーのようすをご紹介します。

 

01駅前DSC_9934.jpg

様似駅前にある地図で、アポイ岳ジオパーク認定ガイドのミスノンさんが、本日のコースをご案内。

地図の向こうにはアポイ岳が見えています。

 

02エンルムDSC_9961.jpg

マイクロバスに乗り、はじめは「エンルム岬」へ。太平洋に突き出た岬で、海の向こうにアポイ岳の山なみが見えます。

 

02かんらん岩DSC_6686.jpg

アポイの山はかんらん岩でてきています。足元の砂利もかんらん岩なのですよ!

 

03郷土館DSC_6690.jpg

様似郷土館では、重要文化財「等澍院(とうじゅいん)古文書」(の複製)や、江戸時代の絵図に描かれた様似の様子を見ました。

 

04等じゅ院DSC_6693.jpg

蝦夷三官寺の「等澍院(とうじゅいん)」では、本堂で住職から寺の歴史をうかがいました。

おいしい抹茶のおもてなしも受けました。ごちそうさまでした。

 

05護摩堂DSC_6703.jpg

何度か移築された護摩堂。「外観は一新されましたが、柱や梁(はり)の一部には、古い木材が使われています」と、副住職が説明してくれました。

 

06チャシ記念碑DSC_6710.jpg

観音山の「カムイチャシ記念碑」前で、アイヌ民族の伝説を紹介。

 

07スズタケの花DSC_6716.jpg

観音山は、花の山でもあります。春はカタクリやオオバナノエンレイソウが美しく咲きます。

今日は珍しい「スズタケ」の花を見ることができました。

 

08記念撮影DSC_6725.jpg

太平洋にうかぶ「親子岩」をバックに記念撮影。(ちょっとボカしています)

 

09観音像DSC_6727.jpg

この日の午前中には、ちょうど「お山かけ」という行事が行われていました。

明治時代、「観音山」の由来となった、これらの観音像を寄進した先祖につらなる人々らが、お参りをするものです。

 

10冬島穴岩DSC_6733.jpg

トイレタイムの後、海岸線を西へ向かい、「冬島の穴岩」へ。

江戸時代の絵図にも描かれている、不思議な形の岩が、冬島漁港の中にあります。

 

11円館の浜DSC_6739.jpg

明治・大正・昭和のトンネルが並ぶ、山中地区の浜。一帯は良質な日高昆布がとれる浜です。

西はエンルム岬や様似町市街、東は断崖絶壁の日高耶馬渓を望む場所です。

 

12和助地蔵DSC_6742.jpg

今日のツアーの最後は、幌満(ほろまん)地区にある「和助地蔵」。

幕末の1799年、様似山道開削中のこの地区に住むようになり、地域の発展に貢献した和助をまつった地蔵は、今でも地元の人たちによって、大切に守られています。

・・・というわけで、約3時間半で町内をまわりました。

ちょっと駆け足でのご案内でしたが、またいらしてくださいね。別の季節には、また違った表情が見られると思います。

では、次は第2日目、アポイ登山のレポートです。

(コダマ)

2014年05月31日

イチャルパ(先祖供養)におじゃましてきました。

様似の街から内陸に10㎞ほどにある岡田地区。昨日、かつて小学校があった場所に行ってきました。

イチャルパ_校門.jpg

様似アイヌ協会主催のイチャルパ(先祖供養)におじゃましてきたのです。

イチャルパ_イナウ.jpg

儀式を執り行うチセ(アイヌの伝統家屋)の外では、祭司さんがイナウ(木幣)を準備されていました。イナウは、神への伝言装置であったり、あるいは神そのものでもあるようです。ヤナギの木を削ってつくったそうですが、とても繊細で美しいものでした。

イチャルパ_チセ.jpg

チセは、数年前に様似アイヌ協会のみなさんが復元されたアイヌの伝統家屋。この日は、とても暖かく気持ちの良い日でした。

イチャルパ_チセ内部.jpg

釘などは一切使わず、縄などで組んでいるそうで、中も囲炉裏を中心にかなり広いスペースです。

イチャルパ_濁酒注ぐ.jpg

儀式はまず、男たちによるカムイノミ(神への祈り)から始まります。大きな漆器に入った濁り酒を出席者一人ひとりに配られます。

イチャルパ_イクパスイ.jpg

それぞれに配る小さな酒杯の上には、イクパスイ(捧酒箸)。この先に酒をつけて祭壇に垂らすと、神に届くのだそうです。

イチャルパ_イナウ祈り.jpg

外のイナウが並べられた祭壇に、男たちが一人ずつイクパスイで酒を捧げていきます。この儀式が終わると昼食となり、図々しくもワタクシもお相伴にあずかってきました。ごちそうに目がくらみ、写真を撮るのを忘れていたのですが、箸をつけていないこの汁物だけはご紹介します。

イチャルパ_ヤマウ.jpg

たしか、「ヤマウ」と教えてもらったと記憶しているのですが、間違っていたらゴメンナサイ。飲んでみたら、「あら、冷たい」。夏は冷たくして食するそうで、とてもおいしいスープでした。

イチャルパ_女たち.jpg

さて、昼からは本番のイチャルパ(先祖供養)です。これは女性が一人ひとり祭壇にお供え物を捧げるのですが、自分たちの先祖の名前を述べてから、お供え物を手で小さくわけてお供えます。

イチャルパ_井坂.jpg

これには、ワタクシと同じく参加させてもらっていた、地域おこし協力隊のI~SAKAちゃんも挑戦。うまく先祖の名前言えたかしら?(タク)

月別アーカイブ

  • Mt.Apoi Geopark Facebook