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2012年06月25日

アポイ岳情報2012-06:6/23

先週土曜日6/23の状況をお知らせします。

なお、当日はあいにくの濃霧&ときどき雨だったため、ここで掲載している花の写真は、その4日前の6/19に撮影したものを使っています。

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2合目から3合目の間では、このジンヨウイチヤクソウがたくさん咲いていました。

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6合目付近で咲いていたアヤメ。

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つい最近まで登山道沿いにあれほど咲いていたアポイアズマギクの花も、わずかに残るばかり。多くの株は、左端のように種を付けていました。

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今回の主役はなんと言ってもこれ、アポイ岳にしかない固有種「エゾコウゾリナ」でした。5合目から上、頂上付近まで元気いっぱいに目立っていました。特徴は太い茎。同じ黄色い花のエゾタカネニガナも同じようなところに咲いていますが、そちらは針金のような極細の茎なので、見分けることができます。

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アポイヤマブクショウマも満開です。

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9合目付近で見かけた、ともに名残りのチシマキンレイカ(手前)とアポイアズマギク。

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とっても小さいアポイゼキショウ。8~9合目付近の岩場を探せば見つけられますよ。

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さて、アポイ岳の登山口にある「アポイ岳ビジターセンター」は、来年4月にジオパークの拠点施設として大きく生まれ変わる予定です。その展示の目玉の一つとして、アポイ岳の高山植物群落を再現したジオラマを作ることになっています。

今日は、そのジオラマの作成をお願いしている業者の方々と一緒に実際に登り、実物を見ながら打合せをすることが目的でした。

上の写真は、実際に使うハイマツを検分しているところ。ハイマツは現地のものを伐採し、特殊加工して展示するのです。もちろん、ここは国定公園なので特別な許可をもらっての作業になります。

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こちらは、高山植物の模造品を作成するために、実際に生えている実物を確認しているところ。色や形、大きさなど、リアルなものを作るためには本当の生育地で実物を見ることはとても大事なことだそうです。

どんなジオラマになるか、みなさんも来年の春をお楽しみに。

(krmd)

2012年06月22日

さまにが町になって60年、アポイの花が国宝になって60年

今年は、様似の開基210年町制施行60周年ということで、来週のでんじろう先生はじめ、さまざまな記念行事が予定されています。

町制施行60周年とは、様似が村から町になって60年ということ。1952(昭和27)年に町になった様似ですが、実はアポイ岳の高山植物群落が国の特別天然記念物になったのも同じ年なんです。

その60年を記念して、明日から7月1日まで中央公民館ギャラリーで、「アポイ岳の花たち」写真展が開かれます。

高山植物写真展・入口.jpg

今日はオープン前ですが、ちょっと見せてもらいました。

高山植物写真展・内部.jpg

中には、アポイの花博士・田中学芸員が登山のたびに撮りためたショットのうち、ここ2~3年の秀逸作品が飾られています。

高山植物写真展・解説.jpg

どんな写真か、ご紹介したいところですが、それは会場でのお楽しみ。ぜひとも、足をお運びください。

高山植物写真展・チラシ.jpg 高山植物写真展・挨拶.jpg

60年前とは比べ物にならないほど減少してしまった、アポイ岳の花々。でも、ここに来ればまだまだ美しい表情の花たちを見ることができます。あなたも様似にある「国宝」を再認識してみませんか?

昆布干しツアーポスター.jpg

ところで、アポイ岳ジオパークでは、ジオツアー第3弾として夏休み体験企画「昆布干し体験と磯の生きもの観察ツアー」を行います。ただし、これまでのシニア層とは違い、親子向けであること、事情により平日開催であることなど、集客に一抹の不安が…。すでにチラシも刷りあがり都市部へ配布していますが、いいPRの場所・機会がありましたら、ぜひともご一報ください。火まつり直前開催でドタバタが予想されるこのイベントの詳細は、以下のページで…。よろしくお願いします!(タク)

http://www.apoi-geopark.jp/event/2012/08/post_58.html 

2012年06月21日

一日順延の運動会は、紅白ドロー

ブログ更新がおろそかになりつつある今日この頃。こんなことではイカンと思いつつも、ネタ探しまで頭が回らない…。ということで、ちょっと時間が空きましたが、先のウィークエンドでの話題を少し…。

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この間の土日、札幌にある私設博物館の「山の手博物館」が、日高路を巡るジオツアーを企画。アポイ岳ジオパークにご一泊くださいました。

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20数名のジオ・エコマニアのみなさんは、かんらん岩採石場でも、新鮮なかんらん岩をゲットしようと、あちらこちらで「カン、カン」やってました。お父さんと来たEくんも一生懸命叩いてみるのです。

山の手巡検3.jpg

今にも雨が降りそうな天候でしたが、みなさん熱心にジオサイトを見学してくれました。

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夕食後は、お勉強会も行われ、ウチのジオミがアポイ岳ジオパークと様似町をご紹介させていただきました。そして、翌日は雨の中、アポイ岳を敢行。皆様、お疲れさまでした。また、ぜひ、天気の良いアポイ岳に登りに来てください。

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さて、その登山日の日曜は、様似小学校の運動会だったのですが、雨のため一日順延。でも、仕切り直しとなった月曜の様小グラウンドには、子どもたちと父兄の歓声が響いていました。ウソかホントか、白組赤組引き分けだったそうですヨ。(タク)

2012年06月17日

様似中1年生の「アポイ岳ジオパークで様似再発見」

『地域のあらゆる分野を対象とするジオパークは、まさに学校教育における「総合的な学習」のテーマにピッタシなんですよ。』

昨年度から様似の先生方や教育関係者にそう言ってアピールしてきたのですが、なんと今年から様似中学校の総合的な学習の時間で、ジオパークを取り上げていただけることになりました。これまでも、総合的な学習の時間に単発的に協力させていただくことはあったのですが、今年は全体を通じてジオパーク的な視点を取り入れていただけることになったのです。

様似中学校1年生の総合学習前半のテーマは「様似再発見」。これは正にアポイ岳ジオパークの理念そのもの。という訳で、先週火曜日(6/12)の午前を使って、生徒たちとジオサイト見学ツアーに行ってきました。

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出かける前に、まずは30分ほどジオパークってなに?やアポイ岳ジオパークの特徴などについて解説。退屈しちゃうかな?と思っていたのですが、スクリーンを見つめる子どもたちの眼差しは真剣そのもの。

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そしていよいよジオサイト巡り、様似発祥のジオサイト「エンルム岬」からスタート。ここからはジオミにバトンタッチです。実は彼女は今日がガイドデビュー。彼女以上に、見ているこちらがハラハラドキドキ。そんな緊張が伝わったのか、最初は子どもたちも横一列で神妙な面持ち。

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しかし、お互いすぐにリラックスしたようで、距離も縮まっていきました

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続いて「等澍院」、

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「観音山」、

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そして「大正トンネル」と、主なジオサイトを巡ります。どこに行っても子どもたちは熱心にメモを取り、いろんな質問をしてくれます。

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でも、一番子どもたちが盛り上がったのは、「大正トンネル」そばの昆布干場にあった小石の山。もちろんこれはかんらん岩。干場に敷いて、その上で昆布を天日干しするためのものです。「内緒で、1個だけ持ち帰って良いよ。一番きれいなかんらん岩を見つけるのは誰かな?」の声で、みんな一斉にマイかんらん岩探し。何人かの子どもたちは、専門家のジオミに自分の拾ったかんらん岩を評定してもらってとても満足そう。

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そして、最後は「和助地蔵」でお参りして今日の見学ツアーは終了。

120612集合.jpg

今日の見学ツアーの結果を踏まえ、子どもたちはこの後自分たちでテーマを決め、半年かけて「様似再発見」をしていきます。おじさんとお姉さんは、みんながどんな「様似物語」を作ってくれるのか、とても楽しみにしているぞ。

 

ところで、ジオミ、ガイドデビューの感想は?

「はい、生まれて初めての「原稿を読まない解説」で大変でしたが、子どもたちがいろんな質問をしてくれて、とてもうれしかったです。』

そうか、それは良かった。解説もなかなか上手だったぞ。

(ジオミのちょっぴりアヤウイ解説に本当は内心冷や冷やだったkrmd)

2012年06月15日

楽古山頂から見た雲海シャワー

我がオフィスから毎日眺める、日高山脈南部の脊梁。なかでもピラミッド型の端正な山が楽古岳。

IMG_1572_web用.jpg

浦河町と広尾町の境の山ですが、アポイ岳にしか登ったことのないワタクシとしては、常々一度だけでも登っておきたいと、先日、スタッフとともに初登頂を果たしてきました。

楽古山荘.jpg

朝6時、様似から新富~メナシュンベツ川を車で遡ること約40分。登山口にある楽古山荘は、思いのほか小洒落た山小屋。ここに車を停めてスタートです。

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まずは最初にきれいに草刈された道を進むと…。

楽古クマフン.jpg

最初に出くわしたのは、ヒグマさんの落し物。哺乳類専門家krmdさんの、「けっこうフレッシュだね。」のつぶやきに、背筋の辺りが…。

楽古沢登り.jpg

ガイド役のSさんのクマ除け笛をたよりに、沢伝いに小一時間ほど進みます。

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途中には、こんな残雪がいくつもあって、山脈の深部に来ていることを実感します。

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そして、いつしか道は尾根をと向かう急坂となり、ひたすら登ります。初めてだけに先が分からずけっこうきつかったです。

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そうやって、ヒーコラ1時間半ほど悪戦苦闘すると、ようやく視界が開け、目指す楽古岳が見えました(右端ピーク)。でも、左側の「肩」と呼ばれる尾根まで、さらに急坂を約30分。すると…。

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こんなパノラマがお出迎え。この日までは天候が優れず、あまり展望は期待していなかったのですが、山脈脊梁から様似にかけてだけがこんな晴天という幸運。誰のおかげかしら?

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ここまで来れば、あとは尾根伝いに一直線。周りの景色を堪能しながら、ハイマツの絨毯を先に急ぎます。ここから見ると、まさにピラミッドという感じでしょ?

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そして、スタートから3時間45分。ついに楽古岳山頂に到着です。西側、すなわち様似側はこのとおりの快晴。写真では分かりづらいかもしれませんが、はっきりと様似の市街やエンルム岬、親子岩、観音山などを遠望できましたヨ(中央奥)。

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そして東側、すなわち十勝側はこのとおり一面の雲海。写真は日高山脈の脊梁を北に向かって眺めていて、一番手前の山が十勝岳です。写真はご紹介しませんが、十勝平野から襟裳まではすべてこの白絨毯に覆われていて、様似側の天気とのコントラストがすばらしかったです。

楽古山頂ミヤマキンバイ.jpg

また、足元の狭い山頂には、ミヤマキンバイが咲き誇り…。

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少し下ったところには、Tさんが見つけたイワウメが寄せ合って咲いていました。

楽古花崗岩.jpg

ところで、楽古岳を歩いていて、ワタクシには珍しかったのが、この白い石。花崗岩だと思うんですが、いつもアポイのかんらん岩を見ている自分にはすごく変わって見えたのです。花崗岩だけにところどころにお地蔵さんのような雰囲気の石もあったりして不思議な感じでした。

楽古山頂看板.jpg

サイコーの天気に恵まれた、初ラッコ。浦河の木彫家のHさん製作と思われる山頂看板。裏には、遊び心タップリの絵も彫られています。気になる方はぜひ一度トライしてご自分の目でご確認を…。(タク)

 

 

 

 

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