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2012年07月03日
様似中1年生の「アポイ岳ジオパークで様似再発見」その2 エンルム岬編
様似中学校1年生総合学習「様似再発見」、エンルム岬班(3班)7名と一緒に勉強してきました。
前回の総合学習でエンルム岬に行きましたが、
さらに興味を持って「エンルム岬」を追加調査地に選んでくれたようです。
・エンルム岬の裏側には行ったことがない。
・エンルム岬の植物に興味があった。
・山側に住んでいるので、エンルム岬に行く機会は少ない。
かんらん岩広場で、かんらん岩を観察してから、
エンルム岬へ自転車で出発!!
快晴!!様似も夏らしくなってきました。
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エンルム岬の展望台まで登りました。
山頂のチャシ跡にて、剣をめぐるアイヌの話をしました。
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エンルム岬には高山植物・海岸植物など200種類くらい報告されています。
「遭難 慰霊碑」「無縁供養塔」「神社」「テレビ中継局」など
エンルム岬は、色々なものがあります。
まだまだ眠っている、エンルム岬をめぐる物語がありそう。
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エンルム岬の裏側は、「波食台」になっているので、多くの海の動物が生息しています。
私は、探検のようでワクワクします。
エンルム岬の裏側に行くと、ひん岩の板状の割れ目が迫力のある景観をつくっています。
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貝・カニ、皆さん生物を見つけるのが上手です。
もう一度同じ場所を回ったので、見方が深まりましたか?
様似再発見のヒントは見つかったでしょうか?
(ジオミ)
2012年07月03日
様似中1年生の「アポイ岳ジオパークで様似再発見」その2 幌満峡編
6/12の当ブログでご紹介したとおり、様似中学校1年生は今年、総合学習でジオパークを通じた「様似再発見」に取り組んでいます。
前回ジオサイト巡りで全体的なストーリーを学んだ生徒たちですが、今日は自分たちでさらにテーマを絞り込み、類似したテーマの数人からなる班で再度の現地学習です。私も6人の幌満探検隊グループに同行させてもらいました。
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まずは幌満ダム(第3発電所堰堤)に向かい、日本電工の高橋課長から水力発電の仕組みを説明いただいたあと、いよいよダム施設の見学です。
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いつもは入れない堰堤を渡って対岸へ。
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堰堤の上からの眺めはこんな感じ。こういう機会がないと見られない絶景です。
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生徒たちが恐る恐る覗き込んでいるのは、ダムに貯めた水を発電所へ送る地下トンネルの入口、取水口です。
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次に向かったのは、その地下トンネルを通った水の出口、すなわち発電所です。轟音を立てながら回り、今まさに目の前で電気を起こしている発電機に生徒たちも興味深々。
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次の訪問地は幌満川稲荷神社。日本電工の前身会社とその従業員によって昭和11年に建立された神社です。6人の生徒は全員ここに来るのは初めてだそう。
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しっかりお賽銭を入れて、お願いするのは勉強のこと?部活のこと?それとも…
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さて、神社の下流にあるキタゴヨウの自生地(国の天然記念物)を見た後に向かったのは、最後の訪問地、東邦オリビン工業のプラント。同社の石井次長から昨年新設された施設についてレクチャーを受けた後、写真上部に見えるトンネルの中へ。
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そこは、程よいサイズに砕かれたかんらん岩が採石場からプラントへと運ばれてくるベルトコンベアでした。粉じんを周囲にまき散らさないようにするため、トンネルの中を通しているそうです。
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そして、製品のオリビンサンドや砂利の実物を見ながらの、横見所長のレクチャーです。「どうしてサンドの粒が小さくなるほど色が白くなっていくのですか?」なんて鋭い質問も出ていましたよ。
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最後に、同社のかんらん岩の看板の前でパチリで午前中一杯を使った現地学習は終了。
プレートの衝突という壮大な地球活動によってもたらされたかんらん岩と自分たちの今の暮らしを結ぶ物語の現場を訪ねる小旅行を楽しんだみんなは、いったい何を感じ、何をつかんだのでしょうか。
(krmd)
2012年07月02日
合言葉は「さまに~」!サマースクールin様似大成功
世界各国の若手研究者が集まって行われた、北大サマースクール。様似での3日目は昆布漁見学です。いくつかのグループに分かれて冬島漁港から昆布の生育状況を視察。
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船に乗りきれないグループは、漁港近くの昆布漁家・泉さんの納屋へ…。
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泉さんから昆布を出荷するまでの作業などについて説明を受けました。通訳には、北大で昆布を研究している四ッ倉准教授とアリが担当。研究者たちからは、等級や価格、流通の仕組みなどについての質問がたくさん出されました。
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受け答える泉さんも、遠い外国の若者が興味を持って接してくれることに感激した様子でした。
そして次に向かったのは、様似市街。着いたところでこんな物をかぶせられたのですが、さてどこでしょうか?
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実は、地元で昆布の加工品を製造販売しているマルエー商事さん。採った昆布のその後を見学というわけです。
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作業場におじゃまさせていただき、昆布の梱包作業や加工の様子を拝見。
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ロシアから参加したアナスタシアさんは、実際に袋詰め作業に挑戦。自らつくった早煮昆布はマルエーさんのご厚意で彼女へのプレゼントとなりました。
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そして昼食。等澍院さんの境内をお借りして、青空の下でのお弁当です。
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しかも住職さんのご厚意で、野立てが用意され、お抹茶のサービスも…。
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お茶立てにもチャレンジするなど、思いがけず日本の文化に触れることができ大ウケでした。住職、副住職、若奥様、池田さんありがとうございました。
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そしてお昼からはアポイ山麓のポンサヌシベツ川で河川の水質に関するレクチャー。そちらの方はワタクシ都合でお付き合いできませんでしたが、夜に行われた歓迎交流会におじゃまさせていただきました。
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会場では、交流会の前にグループごとにとりまとめた様似町への提言が発表され、多様な自然環境が強みである一方で、経済活動が小さいこと、地理的不利などの弱みをどう克服していくかにさまざまな意見が出されていました。
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そして、発表の後は、坂下町長による乾杯。フィールド調査にご協力いただいた泉さんやイチゴ農家の菊地さん、小田さんも駆けつけてくれて大盛況。研究者たちの発表を受けての町側出席者からの感想も一人ひとり披露され、皆、アリの助けを借りて(一部の人は助けを借りず)、研究者たちへの労をねぎらっていました。
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一行は、翌日かんらん岩広場に立ち寄って帰札。さらに北大で、今回の研修を総括して解散となったとのこと。
参加者の国籍は、アメリカ・フランス・ネパール・インド・インドネシア・ジャマイカ・中国・ロシアなどさまざま。世界中から集まってきてくれた彼らはきっと「SAMANI」の名前をしっかりと記憶に留めてくれたはずです。
なぜかって?それは、ブログでもたくさん紹介した記念撮影写真。その時の合言葉は「チーズ」ではなく、常に「さま~に~」だったからです。(タク)
2012年06月29日
アポイの上で考えた自然-社会のつながりと持続可能性
一昨日の当ブログ記事で報告したように、現在、様似町を会場に北大サマースクールが開催されていますが、昨日6/28はアポイ岳に登ってのフィールドセッションでした。
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登山口では、アポイ岳を知りつくした新井田先生が登山中にヒグマに遭った場合の対処方法をレクチャー。「絶対走るな。目をそらすな。グループで動け。」といった先生からのアドバイスに、中にはかなり怯えた様子の外国人も。
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先生に脅かされた?外国人たちは、登山道の随所にあるクマ鐘をさかんにガンガン鳴らしながら登っていきます。このとき私は「先生は必要以上に脅かしちゃって」なんて思いながら聞いていたのですが・・・
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さて、今日は単なる登山ではなく、研究者たちのフィールドセッションですから、随所でレクチャーや討論が行われます。5合目山小屋そばにあるかんらん岩の露頭では、新井田先生が幌満かんらん岩体で見られる多様なかんらん岩タイプとその生成要因などについて解説(たぶん。だって全部英語なんだもん)。
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さて、今日のアポイ岳は天気良すぎ。昼近くには気温もぐんぐん上がり、森林限界を過ぎた7合目から上は刺すような直射日光が容赦なく照りつけ、みんなぐったり。それでもなんとか全員無事に頂上制覇でした。
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頂上でお昼を食べた後は、幌満お花畑で討論。北大の東先生から「ここは『お花畑』という名前が付いているのにほとんど花がないよね?」という問いかけに始まり、盗掘や地球温暖化というアポイ岳が辿ってきた歴史の解説を経て、いよいよ「自然-社会のつながりと持続可能性、人間と自然我々人間になにができるか、なにをすべきか」の討論開始。登山中はみんな結構おちゃらけているのですが、そこはやはりみんな研究者。地球温暖化のシステムとその抑止策(たぶん)や絶滅寸前のヒダカソウのクローン化の是非(たぶん)について熱く議論していました。
さて、実は我々がまだ山にいる最中、1合目の少し上で別の登山グループがヒグマを目撃したとの連絡が入りました。そんなこともあり、下山時は新井田先生の指導どおり、みんな固まって行動する良い子になっていました。
今後アポイ岳登山を予定されているみなさんへ。他の北海道の山同様、アポイ岳もヒグマの生息地です。単独行動は避ける、音を出しながら歩くなど、ヒグマとの遭遇を避ける基本的なルールをきちんと守って、安全登山をよろしくお願いいたします。
(krmd)
2012年06月27日
世界各地の研究者たちのサマースクールin様似
今日、札幌から帰ってきました。札幌に出向いたのは、北海道大学が主催する「国際サマースクール」の開会式に参加するため。
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このスクールは、国際的視野を持つ人材を育成することを目的に、北海道大学で毎年行われているもので、今年は、「自然-社会のつながりと持続可能性」をテーマに、様似をフィールドに実施されることになりました。集まったのは、北大生も含む世界各国の若手研究者22名(博士課程)。…というわけで、参加する研究者に様似町を紹介すべく、木下副町長とウチのALTのアリの3人で出向いたという次第。
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翌日から(つまり今日)訪れる様似町のことを若い研究者の皆さんに事前に知ってもらおうと、まずは木下副町長が歓迎のご挨拶。となりでアリが同時英訳してくれました。このあと、私が様似やアポイ、まちの歴史、産業のことなどについてスライドを使って説明させていただきました。もちろん、イングリ…いえいえジャパニーズで。
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時差ボケの人もいたようですけど、熱心に聴いてくださいましたし、たくさんの質問もいただきました。
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そして、夜にはアイスブレイクで互いの懇親を深めました。さて、翌日(つまり今日)はいよいよ札幌から様似へGo!フィールド調査の最初は、様似で今力を入れているイチゴ栽培の現場です。
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おじゃましたのは、田代の菊地さんのハウス。秋-春栽培の「さがほのか」もいよいよ終盤でしたが、真っ赤な実がたくさんなっていました。
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訪れたメンバーは、ハウスの中の暑さにもめげず、菊地さんにエンドレスの質問をぶつける熱心さ。
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試食して、「どうして、様似のイチゴはこんなに甘いのか?」などと、答えようのない質問も出ていたり…。
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最後に菊地さんを囲んで記念撮影。
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そして一行が次に向ったのが、東邦オリビンのかんらん岩採石場。
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講師となったのは、この春で北大を退官された、アポイ岳ジオパーク学術顧問の新井田先生と、東邦オリビンの横見所長。ここでも「かんらん岩の用途は?」などといった質問がたくさん出たのですが、困ったのはその英訳。アリも鉱業に関する専門用語までは対応できないため、みんなに理解してもらうのに四苦八苦でした。やっぱり、ジオパークの英語版ガイドブックも必要か?とつい思ってしまった一コマでした。
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今年一番の暑さだった様似。おそらく同じぐらい暑いであろう明日は、アポイ登山の予定。みんなダウンしないか心配です。
明後日は特産の昆布を調査するなどして、土曜日に北大に戻る予定となっています。滞在中、この一団に遭遇したら、町民の皆さん、ぜひともウエルカムたっぷりの笑顔で接してくださいネ。(タク)















































