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2020年10月29日

第3回インバウンド向け様似山道モニターツアー

10月中旬に3回目の外国観光客向けのモニターツアーを行いました。前回までのツアーは、車で各サイトを回って行った行動と比べて、今回のツアーでは歴史的な様似山道をハイキングすることにしました。今回は4人の参加者と1人のガイドと1人の通訳者がいました。

朝9時に幌満コミュニティーセンターで参加者と待ち合わせをしました。登山口へ向かう前に近くにある和助地蔵を訪ねました。和助氏は様似山道開削に大いに尽力だそうです。その孫になる方は函館大経という方で、日本競馬のパイオニアであるとのお話を聞きました。次に、東入り口に向かう途中に「念仏坂」について話しました。「坂」と言っても、ただの坂ではありません。非常に険しい坂ですが、様似山道ができる前はこの地域を通るために、恐ろしさから念仏を唱えながら坂を登ったそうです。

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やっと東入り口に着いてハイキングを開始!最初のところを上がると1個目の碍子を見つけました。様似山道は明治時代に電信電話線の作業道にも使用されていた道です。山道沿いに碍子と電柱があちこちに見えます。碍子には電機会社のロゴマークがついているものがあり、参加者はいくつの異なるロゴマークを見つけることが出来るか探してみるように言われました。

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「山エツ」は愛知県瀬戸市に所在する山悦電機製陶株式会社(1886~)


森の中に入っていると、開けた場所が目の前に広がっていました。ガイドさんは参加者になぜここに木がないのでしょうか、と尋ねました。いくつかの答えが出されましたが、どれも正しくありませんでした。実は、様似山道ができる前に地元の人がここの崖の上で農業をしていたからだそうです。農業のために道具を背負って念仏坂を上下することを想像できますか??

山道を進むと、ルランベツの沢、様似山道で最も標高の低い場所に着きました。沢を渡り、反対側に登るためのロープが設置されています。少し難しかったですが、皆さんは無事に登ることが出来ました。

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沢からちょっと離れていくと分かれ道があり、右に曲がると日高耶馬渓の素晴らしい眺めが見渡せます。崖と美しい青い海を眺めることが出来ました。

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展望台から一時間くらいで、原田宿跡に到着しました。ここで長い休憩を取って、参加者が持参したお弁当を食べました。皆さんが食べ終わったら、ガイドさんは原田宿について説明したり、3年前ぐらいに発掘調査を行ったことを話したりしました。現在にも時々、地面の上に当時をお茶わんの欠片などが見つけられます。

原田宿跡からコトニ入り口までは1時間で、途中でいくつかのの沢を渡りました。様似山道の沢名はアイヌ語から由来しています。コモマモナイの沢はアイヌ語で枯葉の多いところという意味で、オホナイの沢は深い沢の意味です。

山道の終わりころに、ガイドさんは木にある爪の跡を指さしました。その爪跡は木の上までずっとありました。これは熊が木の実を取るために木登りをしたということです。「心配しないで、これは古い爪跡ですよ。」とガイドさんは言いました。

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4.5時間のハイキングの後、いよいよ出口であるコトニ口に到着しました!様似山道は不思議な道で、現在の道路ができる以前にこの地域をどうやって旅したのかを体験できる道です。

(D)

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