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2012年06月29日
アポイの上で考えた自然-社会のつながりと持続可能性
一昨日の当ブログ記事で報告したように、現在、様似町を会場に北大サマースクールが開催されていますが、昨日6/28はアポイ岳に登ってのフィールドセッションでした。
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登山口では、アポイ岳を知りつくした新井田先生が登山中にヒグマに遭った場合の対処方法をレクチャー。「絶対走るな。目をそらすな。グループで動け。」といった先生からのアドバイスに、中にはかなり怯えた様子の外国人も。
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先生に脅かされた?外国人たちは、登山道の随所にあるクマ鐘をさかんにガンガン鳴らしながら登っていきます。このとき私は「先生は必要以上に脅かしちゃって」なんて思いながら聞いていたのですが・・・
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さて、今日は単なる登山ではなく、研究者たちのフィールドセッションですから、随所でレクチャーや討論が行われます。5合目山小屋そばにあるかんらん岩の露頭では、新井田先生が幌満かんらん岩体で見られる多様なかんらん岩タイプとその生成要因などについて解説(たぶん。だって全部英語なんだもん)。
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さて、今日のアポイ岳は天気良すぎ。昼近くには気温もぐんぐん上がり、森林限界を過ぎた7合目から上は刺すような直射日光が容赦なく照りつけ、みんなぐったり。それでもなんとか全員無事に頂上制覇でした。
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頂上でお昼を食べた後は、幌満お花畑で討論。北大の東先生から「ここは『お花畑』という名前が付いているのにほとんど花がないよね?」という問いかけに始まり、盗掘や地球温暖化というアポイ岳が辿ってきた歴史の解説を経て、いよいよ「自然-社会のつながりと持続可能性、人間と自然我々人間になにができるか、なにをすべきか」の討論開始。登山中はみんな結構おちゃらけているのですが、そこはやはりみんな研究者。地球温暖化のシステムとその抑止策(たぶん)や絶滅寸前のヒダカソウのクローン化の是非(たぶん)について熱く議論していました。
さて、実は我々がまだ山にいる最中、1合目の少し上で別の登山グループがヒグマを目撃したとの連絡が入りました。そんなこともあり、下山時は新井田先生の指導どおり、みんな固まって行動する良い子になっていました。
今後アポイ岳登山を予定されているみなさんへ。他の北海道の山同様、アポイ岳もヒグマの生息地です。単独行動は避ける、音を出しながら歩くなど、ヒグマとの遭遇を避ける基本的なルールをきちんと守って、安全登山をよろしくお願いいたします。
(krmd)







