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2017年05月25日

かんらん岩がつなぐ、オーストラリアと様似町

先日(5月19日)、町立様似図書館で、在札幌オーストラリア領事館のロナルド・グリーン領事をお招きして、「オーストラリアの風土と魅力」と題したふるさとジオ塾特別講演会を開催しました。

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様似でなぜオーストラリア?というと、実は、グリーン領事のお父様がオーストラリアの地質学者で何度かアポイ岳のかんらん岩を調べに様似町に来ていたことがあり、アポイ岳ジオパーク学術顧問のニ~ダ先生とも懇意の間柄だったのです。そして、1999年にニ~ダ先生が監修して整備した、役場前のかんらん岩広場の解説文の英訳を、息子であるグリーン領事にお願いしたことが今回の講演会の発端となりました

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英訳には、日本人である領事の奥様やお子様もご尽力いただいたということで、今回の講演会には奥様も同行いただきました。そして、せっかくの来町なので、領事ご夫妻には講演前に町長とともに、町内をご案内させていただきました。もちろん、ニ~ダ先生も同行です。

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まずは、鉄板ジオサイトのエンルム岬へ。この時期のエンルムは風が強く、この日も飛ばされてしまいそうな風でしたが、領事はアポイ岳をつくっているかんらん岩を説明している解説板にも興味を示されていました。

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今回の案内のコンセプトは「産業」。まずは、昆布卸加工業のマルエー商事さんにおじゃまして、特産品の日高昆布がどう加工出荷されているかを見ていただきました。

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橋爪社長からお話を聞いた後は、加工作業を見学です。

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領事は、異物混入に細心の注意を払いながら加工を進める仕事ぶりに、感心されていました。

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見学を終えて、会社前でマルエーの奥様と記念撮影。

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次にお邪魔したのは、シャケやタコなどの海産物を加工販売している丸富水産。加工場内はすでに作業が終了していましたが、社長からミズダコやヤナギダコの加工品を紹介しながら、前浜で捕れる魚介類を説明してもらいました。

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次に、現在、様似町が力を入れている夏秋イチゴ栽培のハウスを見学。町産業課のオーヤマ係長に説明してもらいました。田代地区に町が整備しているビニールハウスは50棟ほど。領事は、規模の大きさに感心するとともに、オーストラリアとJA美瑛にて進めている農家交流研修に触れ、様似からも農閑期にオーストラリアに研修に行ってはどうかとアドバイスされていました。

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最後にお連れしたのが、冬島の昆布漁師・附田さんのところ。マルエーさんで加工している昆布は、そもそもどのようにして採っているかを知ってもらうためです。附田さんは、漁協に特別に許可をいただいたうえで、拾い昆布漁を実践してくださいました。

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長さや年数ごとに採ったコンブを干場に置いて、コンブの生態や天日干し作業についてもレクチャー。

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また、昆布納屋では、選葉切りと呼んでいる、コンブのせん断作業も紹介。領事も附田さんに進められて、作業を体験していました。

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最後は、附田ご夫妻とともに、記念撮影。コンブ漁体験が気に入った領事は、夏の最盛期におじゃましてまた体験したいとおっしゃっていました。

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夜の講演会では、お父様に由来するご自身と様似町との縁から、オーストラリアと日本との経済関係、オーストラリアの風土などを、図や写真を使いながら流ちょうな日本語で説明されていました。講演後のフロアからの質問タイムでは、たくさんの質問に一つひとつ丁寧に答えていただきました。また、今回のフロアには、3人の浦河高校生がいて、そのうちの一人は、「アポイ岳は、オーストラリアで知られているか?」と英語で質問し、領事も英語で「残念ながら、知られていません。」と答えていました。この質問タイムは、異例の1時間にも及び、講師とフロアとの楽しい言葉のキャッチボールは、来場者にも視野が広がるひとときとなったようでした。

グリーンご夫妻、そして、領事ご夫妻を迎えてくださったみなさん、ありがとうございました。(タク)

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