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2017年05月19日

アポイ岳の高山植物を保全するための試験調査が本格化!

皆さま、お久しぶりです!ジオローです。すでに忘れ去られていたかもしれませんが…。約1年ぶりの投稿となります(-_-;)上司からの熱いプレッシャーもあり…(苦笑)。

 

さて、私たちが住んでいる様似町のシンボリック「アポイ岳」には、貴重で多彩な高山植物が生育しており、その高山植物群落は、1952年に国宝「特別天然記念物」に指定されています。

今時期から7月にかけ、花のハイシーズンとあって、可憐に咲く花を一目見ようと全道そして全国各地から多くの登山客で賑わっています。今はこのような高山植物が皆さんをお出迎えしてくれますよ。

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アポイダチツボスミレ

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サマニユキワリ

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アポイ岳に高山植物が生育する要素として、かんらん岩(超塩基性岩)の成分が大きく影響しています。まだ人間が未到達の地球内部マントルをアポイ岳ではを地上で踏みしめながら登山することができますよ。

 

現在、さまざまな要因によってアポイ岳の高山植物の個体数が減少し、深刻な問題となっています。そういった要因を解明しながら保全対策を検討するため、研究者や大学教授など専門家集団で組織する「アポイ環境科学委員会」が平成27年10月に設立し、調査研究しながらデータを蓄積する取り組みを始めたところです。

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この事業の取り組みは平成29年度で2年目を迎え、このたびアポイ岳登山道沿い(7合目から8合目)のハイマツ伐採(枝払い)試験を実施しました。

IMG_8063.JPGのサムネール画像

登山者から見える箇所での調査なので、調査の意義等を知らせるサインを登山道脇に設置。

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今回の試験調査には、アポイ環境科学委員会メンバーをはじめ、地元アポイ岳ファンクラブや町が協力して実施しました。ハイマツ伐採(枝払い)試験区は7つの調査区を設けて行いました。本来あるべき姿の高山草原が、ここ半世紀でハイマツなどの低木林で覆われため、ハイマツを枝払いすることで、その下に埋もれていた植物が生育するのかいう試験調査。また、合わせて伐採(枝払い)したハイマツの年輪生長調査をすることで、ハイマツの特徴を解明する調査も行いました。

 

今回の調査は、国定公園を規制する法律(自然公園法)の中で最も規制の厳しい特別保護地区エリアで試験調査を実施しました。これは画期的な試験調査で、この結果次第では本格的にアポイ岳の自然を保全再生する手がかりになるかもしれません。        

                                                              【ジオロー】

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