日高主衝上断層

異なる2つのプレートがぶつかりめくれ上がったのがアポイ岳を含む日高山脈ですが、まさにそのプレート境界そのものが、この日高主衝上断層です。

この境界は日高山脈に沿って南北に約140kmも続く大断層ですが、ここのように地上で観察できる場所は非常に限られているため、学術的に極めて貴重な場所です。そのため、断崖絶壁が続き、いたるところで防災工事が施されているこの辺りの中でも、ここは覆われずに残されているのです。露頭の左上の黒い地層が北米プレート側の蛇紋岩(かんらん岩が変成したもの)で、右下の緑っぽい地層がユーラシアプレート側の変はんれい岩(はんれい岩が変成したもの)です。つまり、この辺りから東が日高山脈の地層(かつての北米プレート側)ということになります。

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